3人が本棚に入れています
本棚に追加
1年目
すれ違った。
夏が近づく日。
廊下で君を見つけた。
一目惚れだった。
可愛いとかそれだけじゃない。
君が漂わせる空気感も好きだった。
君を探すようになった。
白いYシャツが似合った。
笑顔を見つけた。
胸がぎゅっとなった。
一緒の委員会。
運命という言葉が浮かんだ。
君は思った通り、優しい人だった。
この想いを僕の中に留められたなら。
でも出来なかった。
君を知りたいと思ってしまったから。
遠回りではあったけど、君を知りたいと伝えた。
友達として。
好きだなんて言わない。
言えない。
まだ始まったばかりだから。
大切にしよう。
君は優しく微笑む。
だけどその笑顔は僕を傷つけない為の笑顔。
そう思ってしまったのは何故だろう。
分かりたくない事は分かってしまう。
廊下ですれ違った。
友人と笑い合うその笑顔が本物だった。
僕が好きになった笑顔だった。
君は気付いているのだろうか。
好きなんだ。
君の事。
最初のコメントを投稿しよう!