1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
記憶を消した人
“ …久しぶりだね。
あなたは私のことを覚えている?
…もちろん、覚えてないよね。
でも私はあなたのことをよく知っている。
どうしてかって?
それは、あなたが私のことを忘れてしまっただけ。
いいえ、もっと正確に言えば、“私の力“によって
あなたは私を忘れるしか無かったの。
だって、私は記憶を消すことが出来るから。
私にしかできない、私だけができること。
何故あなたの記憶から私を消したのか、
今はまだ、教えられない。
いろんな可能性を探ってみてほしい。
例えば、学生時代の友達、先輩?後輩?
もしくは職場、または恋のライバル、とか…
思い出を辿っていけば、そのうち何か
手掛かりが見つかるかもしれない。
どんなに頑張ってもあなたが私を
思い出すことは難しいと思うけれど、
それでも今、私があなたの前に
再び現れたのには理由がある。
それは、私のためでもあり、
あなたのためでもある。
…今日話せるのはここまで。
また、会いましょう。 ”
最初のコメントを投稿しよう!