レモンピール 【僕と彼の苦味を感じるほどに甘い恋と、本気の失恋と、その後の物語】

初めて、二人で

「で、どうだったの？花火デートは。」

　風呂上がりのアイスクリームを食べながら成美が興味津々に聞いた。今日は抹茶の気分らしい。

「フラれた。」

「えええ！」

「一旦は保留みたいな感じ。「考えさせて欲しい」って。」

「なんだ、まだ全然いけるじゃん。次はどこがいいだろ。水族館なんてどう？」

　成美がどこからか東京ウォーカーを引っ張り出してきてページをめくる。
　なんだか楽しそうだな。

「ね、私もこっそりついて行っていい？」

「いいわけないだろっ！」

「次のデートいつ？場所決まったら教えて！」

「来る気マンマンだなっ」

「バレないようにするから。」

「そーゆー事じゃなくてっ」

「撃沈したら骨は拾ってやるから、全力でぶつかりたまえ！」

「うるせー。縁起でもない事をいうな。」

　こいつ、完全に楽しんでんな。