オトナな彼女

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 豪華な内風呂と食事を堪能し、僕らは浴衣姿で豪華な客室で寛いでいた。付き合って三年近くだけど、思えばこうして旅行をするのは初めてだった。 ————————— 「・・・鳴海、大丈夫?痛くない?」 「・・・あ、ちょっと痛いかも。」 「ごめん、初めてだからあんまり勝手がわかってなくて。もう少しローション多めに塗ろうか。」 「・・うん。拓、そんなに気ぃ遣わんでもええって。」 「でもさ、痛いのを無理に我慢するとよくないっていうだろ。」 「もっと、ぐっと入れてくれてええから。」 「わかった、じゃあ強めに押し込んでみる。これは?」 「あ・・・・うん。気持ちいい。」 「ほんと?」 「うん・・・・もっと強くやって。  ・・・あ ふぐっ! あいたたたたぁ!」 「うん、ここが痛いってことは腰か座骨にトラブルがある・・・と。なるほど。」  僕は傍に広げた『自分で押せてスグに効く!足裏はカラダの健康地図』という本を見ながら逃げようとする鳴海の踵をぐりぐりと押す。  何故か客室にこの本とマッサージ用のローションが置いてあったので、僕らはマッサージの真似事をしていた。 「ちょ、拓。まじで痛いって!!」  数ミリ押す位置をずらしただけで気持ちよさが激痛に変わる。足裏マッサージとはそういうものらしい。  鳴海が痛みによがる姿がなんだか面白くて、僕は容赦なくツボを刺激した。
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