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[お待たせしました。それでは実験を始めさせていただきます。]
『......』あれから10分程して医者は帰ってきた。
そこから俺を移動させ(恐らく、実験台のような場所)
頭やら体に何やら電気パッドのようなものと酸素マスクのようなものを俺の体に貼り付け、車椅子ごと俺を固定させた。
[樹本さん、準備はよろしいでしょうか?]『....』
準備できているはずが無い..。まぁ、そんなことを言っても実験を
止めることはできない。
あぁ、なんと哀れなのだろうか。
大好きな彼女に振られ、戦争に巻き込まれ、そして今
訳の分からない実験体となり、もしかしたら死ぬかもしれないのだ。医者は
決して危険では無いと言ってはいたが信じれない。
戦争で最後の生き残りを殺すことは考えにくいが、
あり得ない話ではない。...もう何も考えたくなくなってきた。
眠たい。そういえば、医者が酸素マスクから麻酔を投入するとか言ってたな...。
あぁ、これで終わりか..。ンフッ
最後位は彼女と一緒が良かったなー。死ぬかまだ分かんないけど
こういう時には好きな人と一緒にいたいっていうのが人間の心理
というものかな...。会いたい。彼女を一目でも見たい。
振られた、否、どちらにしろ俺だけしか生き残っていないということは彼女も死んだんだろうな...。あの医者も結構若そうだったしな..。今日から俺は、死人ってとこかな...。なんて、、
俺は意識を手放し彼女との幸せな思い出に浸るように深い眠りについた。
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