高校教師

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 私は教室から職員室に戻った。昼休みだった。だいたいの教師は弁当を持って来ていた。生徒も購買部でパンを買うほかはだいたい弁当だった。皆弁当を食べていた。山田は弁当を広げていた。少し離れたところから見ていた。彼女は弁当にそぼろを持って来たらしかった。肉そぼろとか卵そぼろとかの食べ物だった。それに対して私は昨夜の煮物の残りだった。「ずいぶんいいものを食べているのだなと思った。周りの人たちはもっといいものを食べているように思えた。カツだったりフライドチキンだったり巻きずしだったりした。皆そんなものを食っているのかと思って気が付かれないように皆の弁当を見てみた。目刺しを持っている人もいたが日の丸弁当の人を発見した。しかも三人もいた。なぜか気分はよかった。  私は梅干を弁当に入れることはできなかった。ある意味日の丸弁当と変わらなかった。
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