高校教師

「ただ眠くなっただけです」
「なんだ、気がついたか」教頭は少し笑ったような気がした。
「まさか就職直後から生徒に手を出したわけではないだろうな」
「ばかにしないでください」
「これは冗談」
「先生、僕は教師に向いていないかもしれないですが、仕事に対する意欲には自信はあります」
「これは素晴らしく頼もしい意見」
「教頭先生、三田先生は具合悪いのですよ」保健室の教師に言われた教頭は黙った。
「もう起きます」
「無理しないように」二人に言われて起きにくかった。
「仕事ですから」
「仕事熱心でいいね」
「教頭先生僕は仕事をしたいです」
「ならば起きていいよ」
　教頭に言われて起きて保健室から出て、あとから教頭がついてきた。
「眠いですか？」
「大丈夫です」
「無理しないように」
「ありがとうございます」