第一章・ー“蒼の騎士”……?ー

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「んー……。ヌワール殿はえっと。正確に言うなら現四大霊鬼“蒼”のお兄さんで、アンダーテイカーやオフィーリアの従兄弟でもあるのかな」 「ヌワール殿って……。それってシャークさん……刑事? の事、ですよね?」  取り敢えずでシェイカーが、シャークの事を掻い摘んで説明すると、テイラーも少しばかり納得がいったような表情で、更に確認してくる。 「うん。名前はシャーク=ヌワール。多分、従兄弟中だと、年長の部類に入るんじゃあないかなぁ?」  それに頷いたシェイカーが、念のためにと補足説明をした。 「ああ。だからコーラルブルー刑事にも、結構上から目線で話してたんですね」 「うん。まぁ。そうかな」  シャークが誰にでも上から目線な理由は他にもあるのだが、それを言っても到底このメンバーには理解出来ないだろうと、苦笑しながら返すシェイカーに、今度はロイナスが手を挙げる。 「ならディニテとかいうのはどうなのかねぃ。あれで本当に、元四大霊鬼なのかよぃ?」 「う……。ま、まぁ。そう聞きたくなる気持ち、俺にも()()るけどね……」  ディニテ=サフィール=ブルーという“昏きもの”と、シェイカー自身昔からの知り合い程度であるものの、仲が良いと言える程に深い付き合いをついぞした事がなかった。  それでも、オフィーリアから逐一聞いて、こちらへと出向してからというもの、一応ヴァイス署がどうなっているかを把握はしているつもりであった。  だが、ヴァイス署にいる時からでも、噂でだけ「敢えて人間の方の署で働いている、高位にあたる“昏きもの”がいるらしい」としか聞いていなかったため、ディニテがそうであるとは知れていなかった。
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