第一章・ー“蒼の騎士”……?ー

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 そのため、シェイカー達が出向してから、自分達の元上司であるレイナスが、その実力を認めディニテをヴァイス署へと引き入れたと聞いた時は、それはもう、物凄く驚いた。  元々ヴァイス署には、何故だか本当に昔から“蒼”の一族が好んでというか、自然と集結している部署であるとは、シェイカーも密かに思っていた。  現段階でシェイカーの推測ではあるが、恐らくヴァイス署にジョシュア=ブラックホークが部長として君臨しているのが理由なのだろうと、そう睨んでいる。  ジョシュアは誰しもが認める厳しい性格ではあるのだが、しっかり見れば部下の教育に決して手を抜かない理想の上司で、更に言えば謎多き人物でもあった。  端的に言えば、ヴァイス署に部長として就任する以前の経歴が、誰にも分からない、知られていない。そしてそんなジョシュアが、何故いきなり部長クラスの役職に就けるのか、理由が不明、といった点が挙げられる。  しかし、それと同時に、ジョシュアはかなりの手練れである事も有名な話であった。  その証拠としては誰もが畏れをなし、怯えてしまい、制御するのに手を焼くシャークですら、実力行使で契約鬼にしてしまう程には強かった。  だからして、署で働く全員が、ジョシュアが署員を束ねている現状を認め、落ち着いていられるのだ。  まぁ、だからこそ、元がつくとはいえ、四大霊鬼という大役を勤め上げたディニテが下につく、という珍妙な構図ですら、疑問に思う者はいないのだとも考えていた。  ただ、オフィーリアから聞いていた事実も、あるにはある。 「“蒼”の一族ってさ、何代かに渡ってだけ、ああした性格の方が、四大霊鬼を勤めていたらしいよ」  最早そうとしか説明出来ない。
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