エピローグ

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エピローグ

その後の狭霧(さぎり)主任と僕とのことは、取り立てて話すこともないと思う。 その本質が似たもの同士であり、そして、お互いのことをもっと理解したいと思った男女同士として、ごくごく普通の過程を辿ったと言えば、もう充分だと思う。 狭霧(さぎり)主任のお昼ご飯は、例の緑白国旗的お弁当ではなく、彩り豊かなお弁当になった。 ブロッコリーは元々好物らしく、多めに入れてとお願いされるので、それぞれのお弁当箱とは別に共通のものを設け、その中にドッサリと入れるようにしている。 まぁ、共通とは言っても、その八割方は狭霧(さぎり)主任がモリモリとマヨネーズをかけて元気良く平らげている訳なんだけど。 ブロッコリーはさておき、自分の作ったお弁当を、誰かが嬉々として食べる様を毎日間近で見られることは幸せだなって思っている。 ただ…… 起きがけに「動物丸、朝だよ!」と言われるのには閉口している。 何度聞いても、どんなシチュエーションで聞いてもこう思う。 ホントに雑なあだ名だ、と。 [完]
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