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然しながら、彼女は実家を【ただの成金、成り上がりの強欲商会】と言って憚らず自身、『お嬢様』呼ばわりされる事を何より嫌っており、その屋敷から通う事を拒絶。
ごく僅かな身の回りのものを持って、この学院の門戸を叩いた。
学問と魔法魔術研究に於いて、他国を遥かに凌ぐここ、アヴァロニア王国にあって知の最高学府と称される王立大学院。その付属幼年学校を歴代最年少14才で卒業したネイアは、周囲の反対を押し切り大学院には進まず、魔術師への道を選択した。
その選択には幼い頃亡くなった、治癒術師として優秀だった彼女の母の影響によるところが大きく、自身もまた母の様に多くの人の役に立ちたいと言う、憧れが強く現れている。
試験の結果は、ある意味当然と言わんばかりの首席、それも過去最高の成績を持って入学を許可された。が、仮に彼女が試験を白紙回答したところで、彼女を拒む理由は学院には存在しない。
ただ単に彼女の才を惜しむ余り、大学院側が推薦状をださなかった故の、一般入試だったに過ぎない。
魔法魔術学院とは言え、一般入試に於いて、魔法の才の有無は考慮されない。
無論、試験時に魔力測定・魔術知識・技能についての考査はあるが、あくまでも参考程度と入試要項に明記されている。
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