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「うん。まあ孤児院はなくなっても、修道院はしばらくそのままみたいだし。仲間もみんなそこにって言うからさ。俺に手伝えることがあればって思ったんだ」
もし自分だけ住み込み仕事についてしまうと、自由に動けなくなる。孤児院に残る子供達だけでは日々の糧を得るのも苦労するだろう。それなら狩りに出かけたり、たまに仕事をもらって稼いだり修道士達の手伝いをした方が都合がいい。アベルはそう言って屈託ない笑顔を見せた。
「確かに、そう言う選択肢もありますね。我々としてはアベルくんの意志を尊重しますし、修道院に寄付を続けていくことには変わり無く、多少の人足仕事を回すことも可能でしょう」
しかしそれも長いことではないだろう、そう言う見解をアルベルトは示す。元々この土地には先に修道院は存在し、僅かながら孤児の面倒も見ていた。そして何よりシルヴァーナ自身が修道院で養育された孤児でもあった
その関係でバランと出会い、結ばれたのちにここで孤児院を始める際、修道院の立つ敷地を含め現在、孤児院と別宅を含むこの周辺の地権を習得した経緯がある。
「いずれ先生の思惑通り街が造られたら、ここは重要な【拠点】になる。当然、いつまでも遊ばしてはおけないと」
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