23人が本棚に入れています
本棚に追加
それに対してアルベルトは無言のまま、軽く頷き話しを続けるよう促す。
「私、ネイア・フォレストは今後十年間、無条件でフォレストフォレスト商会長老職の代理人であり、長老会議の出席義務と投票権を他の長老たちと等しく、有する。勿論、その権利は他者。私の他6人の長老の何れかに委託できる。そう言う理解でよろしいですか?」
「はい、そのご理解で間違いありません。が、あくまで代理人であり、正式な長老職につかない限り、商会の事業に参画することは、基本的にありません。が、長老会議の招集を求めることと会議に置いての発言権は、他の者たちと同じく認められます」
そしてそれは、二人以上の賛成を持って効力を発揮する。
「それは聞いてなかったんだけど、まあいいわ。では早速、早急に長老会議を開くよう、私は求めます」
「それは、一体どう言った要件で? ネイア長老代理人殿?」
初めて呼ばれるその肩書きに、ネイアの背筋に一瞬、電流の様な緊張が走った。
「私、ネイア・フォレストの名に於いて、シルメニア孤児院の事業権、その譲渡を求めます。その是非を問うための緊急会議を」
言い終わるが早いか、ネイアは肩に力を漲らせて立ち上がり、
「孤児院はこの私が、引き継ぎますっ!」
そう高らかに宣言した。
第一話、了。
最初のコメントを投稿しよう!