第二話。【新米冒険者(仮)。華々しく伝説の第一歩、踏み出してみるの事。

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第二話。【新米冒険者(仮)。華々しく伝説の第一歩、踏み出してみるの事。

「ふっふっふっふ〜♪ついに、ついに来たわね〜っ。私達、伝説の冒険者としての伝説の幕上げが!」  小高い丘から、眼下に深い森林を見下ろし高らかに宣言する人間が一人。 「……伝説って。二回言っちゃってるよ、アイツ。意外に馬鹿だったのかな?」 「ああ、うん。なんか割と天然なとこあるし……ネイアお姉様」   「ん〜そうかな?通常運転だと思うけど」  そんな一見、痛々しい程に清々しい豪傑っぷりをやや離れた場所で見守る人影が3人。  見解が微妙に異なるのは、それぞれの関係性。付き合いの深さに寄るところが大きいだろう。  発言順に筆頭騎士爵家の御令嬢、ジェイミー。魔法魔術学院三期生にして今期、一級魔術師認定を受けたばかりの治癒術師、アンジェリカ。最後にこの中で紅一点(?)唯一の男にして、冒険経験・心得を持ち、野伏(レンジャー)兼狩人(ハンター)である孤児のアベル。  彼・彼女らに加え、はじめての冒険に心躍る件の豪傑。雷の愛娘、千人に一人の魔女という異名を誇る、豪雷爆炎の魔術師(自称)ネイア・フォレストがこのパーティの全容である。 「さっすが〜ネイアの幼馴染。なんか色々、悟っちゃってる〜☆」  ジェイミーが先を行くネイアに聞こえるよう、比較的大きな声で言いながらアベルの肩に腕を回す。
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