第二話。【新米冒険者(仮)。華々しく伝説の第一歩、踏み出してみるの事。

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「ハイっ!そこ。ひっつき過ぎない!離れて離れて。綱紀粛正!」  ジェイミーの声に反応したネイアが、二人を指差して言い放つ。その風情と言い回しから冒険者パーティのリーダーと言うより、フィールドワークの学生を引率する、生真面目でお堅い班長の雰囲気が強い。 「仕切るなよぉ〜このパーティ。リーダーはネイアじゃなくて今期、最年少で認定を受けた一級魔術師様たるこちら。アンジェリカ様だろ〜?」    と、今度はアンジェリカに擦り寄り、にやけ顔でジェイミーがネイアを煽る。 「言われなくたって分かってるわよ、そんな事」 「ああ、えっと。いいんですよ、お姉さま。別に仕切ってもらっても。私は言わば名目上のパーティリーダーだし。むしろお姉様の方が適任というか、適正というか」  不意に話しを振られ、アンジェリカは少し焦り気味に、本パーティに於ける指揮権の所在についての考えを述べる。 「いいのよ、アンジェリカ。貴女が【優秀】なのは、私が1番よく知ってるもの。貴女のその控えめに一歩下がって俯瞰する思慮深さ、手厚い後方支援と継戦能力の維持、管理。リーダーに最も必要とされる資質です。それに比べ私やジェイミーなんて、前に向かって突進して行くしか、ないものね」  
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