第二話。【新米冒険者(仮)。華々しく伝説の第一歩、踏み出してみるの事。

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 例え第一級認定魔術師とは言え、常に戦場の最前線へ駆り出されるなどという事はない。そこは適正・適材適所と言うものがあり、たとえ戦場へ従軍したとしても真っ先に戦うのは末端の兵士であり、彼らを統率する騎士の務め。  ジェイミーはそう言いながら腰に手を当て、誇らしげに胸を逸らした。 「アンジェは〜そうして前線で傷ついた僕を、その身体で優しく癒してくれるだけでもう充分、最高のお仕事だよっ」 「あんたの場合、かすり傷ひとつ負ってなくてもアンジェリカの元に飛びつきそうだけど。ろくに戦いもせず……」  この変質者は、と言う言葉をネイアは口内に留めた。   「確かに。ジェイミーが戦場で怪我するなんて、無さそうだしね。今着てるその鎧、カッコいいよねえ」  アベルはネイアの言葉の真意を知ってか知らずか、素直に同意を示し、少年らしい感想をジェイミーに言う。 「だろ〜?さっすが男の子。これの良さがわかるなんて。しかも特注品ですしおすし?やぁ〜っと届いたんだぁ〜」  と言うジェイミーは鼻、高々。見せびらかす様にくるっと、軽やかに回ってみせる。 「ああ〜うん。確かに前回、訓練所に着込んできたヤツよりは数倍、マシよね」 「さすがはジェイミー様。バッチリ決まってますよぉ」
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