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❀12.❁°˖✧
ゆきは もう これで
主人から逃げられたと思った …
このときは それが 念願?
だったから 慎と一緒に居られれば
その 目標は 達成されていて
だから 安心してたし
なにごとにも頼りになる慎だから
慎の云う通りにしていれば大丈夫と
楽観視? していて
ゆきは 逃亡中なのに?
すっかり 慎だけしか見ない
視界の狭い ゆきになってしまった
そんなゆきは 慎と そのすぐ近くの
事しか 気にしていない …
ふたりは
慎のマンションへ入った …
ここは 横浜の隣 の 川崎の 南部で
大きな企業の本社や 大きな商業施設
それにマンションも多く人口が多いから
昼も夜も常に多くの人たちが動いていて
だからふたりはそれに紛れたら良いと
慎は 思った …
それは 狭くはないけれど
1DKの部屋で …
賃貸ではなく分譲だから
慎のもので
なら? 入居者が急に増えても
管理会社などへの手続きなども
煩わしい事もなく スムーズに
すぐ できて!
それに 誰も知らないうちに?
ここに入れたこれは なにも障害が
無い から?
それは まるで?
ふたりだけで決めた
新婚生活がスタートしたみたいに?
ゆきは ヘンにワクワクし
なにをするのにも すべて
とても楽しかった …
―
ここに独り暮らしだった慎の部屋には
ぜんぶ が 1つずつ で
1人分の 物しかなかったから
それをなんでも!
2つにするため …
それにこのとき?
慎はほんとに 仕事を辞めたらしく?
毎日 ゆきと一緒に過ごしていて
だから
ふたりで 一緒に
そんな買い物もできて 楽しい!
―
「 ねぇ …
近くに おおきな SC
あって良かったね?
お店いっぱい入ってるもん!
ワタシ いままで 買い物
あんまりしたことないし …
おもしろそ!」
「 あ …
俺も べつに?
欲しい物なんてなくて …
いままで あんま
来たことなかったな …」
「 そうなの?
なら! 一緒?
嬉しい!
" 新規開拓 ”?」
「 ん? なんだそれ …
仕事想いだすワードやめろよ
でも … ゆきとふたりなら
買い物も楽しいかもな!」
「 うん!」
―
ゆきの いままでの生活は
主人が揃えた物で済まされていて
自分では生活のための物なんて
買い物をした事がなかったから
このときが はじめての? の 様な
ゆっくりと視て廻りながらの
探検する? 買い物で
慎の部屋の 1つの物から 2つへと
増やしていく買い物のはずなのに?
ゆきには ショップがズラぁ~っと並ぶ
ここでは まさに テーマパークと同じ
くらいに ワクワク で …
今日は何を買いに来たのかも忘れるくら
いに ゼンブのショップを ひとつずつ
必要もないのに?
次から次へと 横並びに並んでてくれる
から全部に入って往く
―
これ …
オトコの? 慎には きつい?
ただ 歩き回る これって
" ウインドウショッピング?”
なん? って …
" 時間の無駄! ” っと 思う
ヒトもいるけれど …
慎は 嬉しそうな " ゆきを見てる ”
から 気にならない様で …
—
「 " SC ” って 障害物競走
の意味もあるじゃん …」
—
なんて ゆきを見ながら
呟いたりして …
めちゃ 平和なそれは とても
逃亡中には みえない し
ふたりはすっかり ここの人たちの中に
溶け込んでいた …
―
「 な?
なんか 食うか?
俺 腹減ってきた 」
「 … うん
ワタシ なんでもいいよ 」
「 … なら 焼肉? 」
「 え? お肉? 」
「 なんで? 」
「 ん? お肉 ね …」
「 じゃぁ! なに? 」
「 ん? う ん …」
―
ゆきは なんでもいいと言いながら
焼肉のお店には 入った事がなかっ
たから そのイメージが
" 肉と 肉肉肉 … ” の 肉しか
イメージできなくて
せっかく 初めてのふたりの外食なのに
" その匂い?” っと ちょっと
不満で?
でも
お腹が減ってるシンが可哀想だから
強くは言えないけれど な …
―
「 ベツニ ほかのもんも
食えるから良いじゃん!」
「 え?… う …
ん …」
―
で この日のランチは そこになる
結局 …
慎の云う通り 食事を焼肉にした2人
は それぞれにお腹はちゃんと満足して
… それ で …
会計を済ませるタイミングに やっと
ゆきは 慎への感謝の気持ちを伝えた
―
「 ねぇ …
ほんと 急だったのに
ワタシのこと ありがと!
ここは ワタシが払うね!」
—
ゆきは 初めて 慎へ ちゃんと口に出
してお礼が言えたとちょっと嬉しかった
けど
慎は これに 意外な反応を見せた
—
「 … ん? な? あ …
ゆ き? 金?
持ってる の?」
—
ゆきは キョトンとした …
—
「 ん? おか ね?
ないけど …
Card あ る …」
—
ゆきは そのcard を
慎に見せた …
—
「 え?」
―
慎は 怪訝な表情になって …
―
「 … これさ …
ゆきの?」
「 え?」
「 旦那の じゃない?」
「 ん?」
―
ゆきは まだ 解らなかった …
だから いまも このcardで支払おう
としたけど …
それにそれだけじゃなくて …
コッチに来てから ゆきはすでに …
だって …
逃げてきた日は スウェット上下だった
し ルームシューズだったから …
慎の部屋にあった 男物のTシャツに
サンダルも借りて …
あの日の留守番中に とりあえずの
洋服は マンションから一番近い店で
" 近くだから!
ふらっと ! 寄りました ” カンを
出しながら 買い物したときだってこの
Card 使っちゃったし …
あのときの タクシー代だって
そうだし …
―
" でも
普通に支払いできたから …”
―
な カンジの表情を 慎に魅せたけど
慎は 気難しい顔になって …
―
「 あのさ …
もし 旦那のだったら …
支払先から ここ …
バレるかもだけど …
いつから … 使ってる?」
「 え?
あの日の …
タクシーと
こっちきてから
すぐ …
近くのお店で …」
「 … そうだよな
まだ … 数日だよな …
なら … まだか な …」
―
慎は card 精算は スグには本人に通
知がいく事は無いと思っていて …
だから これにはまだ …
ゆきが使ったのは
ここ数日なら と …
あと ひと月ぐらいは 気づかれるのに
も? 時間があると考えてしまった …
それでも 危険な行動は避けた方が良い
から それをゆきにも説明して …
―
「 … な? ゆきの
気持ちは分かったけど
そのcard は
もう 使うな!
危ないぞ! な!」
「 … うん 」
―
でも? なら …
ゆきは これで …
自分で使えるお金が無くなった …
それに …
この card は
使われた途端
ちゃんと 所有者の
あの主人の PC に
Card 会社から
すぐ 通知が届く …
なので 結局は …
ココの食事代も 慎が済ませ
その後の買い物でも慎が支払う事になり
ゆきは また すっかり 慎に甘える
様になった …
そう … この S C は大きくて …
今日一日 ふたりは ここにずっと
留まり 食事後も 1つの物を2つに
する様にと買い物を続けた …
ずっと … ふたり 並んで …
ゆきは 表情が明るかった
慎も そんなゆきをずっと
見てるから
表情は優しい …
そんな 中 …
ゆきは なにかに気づき?
ひとり 駆け出し …
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