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❀24.❁°˖✧
だから
この䨩の ゆきへの
その 思い は
" 純 な 情 ” だけ だった し
この慎とゆき のふたりが
一緒に行動するようになってからは
それが 慎の " 企み ” で あっても
自分のせいで不幸にしてしまった
義弟の事を
これ以上 刺激し
傷つけたくは なくて …
そんな
慎を 悪者にはしたくないから
ゆきにも
なにも言えないまま
に なってしまって …
だから
それも ゆきには
" 主人の理解できない行動 ”
として みられていたわけで …
口数が少ない 䨩は
こんなにも?
周囲の者から理解されないのか
なので …
それでも
大切なゆきを
そんな義弟では
なにをするのかも分からなかったから
" ゆきになにか危険が及ばない様に ”
そこならたくさんの眼があるから? と
病院へ入れてまでも離したかった し
それに ゆきは大切な
自分が 自分であるために
求めている者だったから
䨩は ゆきを
失いたくはなく …
ゆきが 自らの意志で
その病院を抜け出し
自分から 離れても?
なんとか無事 に!
けれど
やはり義弟を刺激する事 なく!
ゆきの知らない そんな
自分の弱い姿を見せる事も なく!
ゆきを取り戻したかった
ただ それ だけ だった のに …
島では騒ぎになってしまって …
こんな䨩は 結局 不器用で
周りを混乱させるのかもしれない …
―
ゆきには …
そんな複雑に重なりあっていた事の?
全部は知り得ない事だけれど
自分の弱さ 甘えから?
" シン ” だけを
信じてしまった事は
ゆきが自らした事で …
䨩の あんなに強かった
あの家での 束縛 病院での拘束が
まさか 䨩の思う
自由な解放された生活で
䨩の ゆきを守る気持ちの
その強さと 実行力と
その器 だったとは
いまも まったく
気づけないでいて …
それに
ゆきの " 勘違い ” は
それだけでもなく …
ゆきが あの家での拠りどころとして
大事にしていた あの 小豆シバ が
早くに亡くなったのも
じつは 䨩のせい では なく …
ただ
ゆきよりも早くに
その亡骸を見つけた䨩が …
その姿
小さなまま逝った様が
かわいそう だと 思い
その姿を哀れみ その最期を大事に と
なら …
あの家では はっきりと分けられている
黒い自分とは " チガウ ”
ゆきの方の " 白いもの ”
で " 包んであげた ” 事で …
それを …
ゆきが勝手に ?
あの家で そう 分けられている
ゆきの " 白 ” で
そのこ も 包まれていたから …
" 自分も同じになる ” と
思ってしまった 事で!
そこから? それで?
なにもかも?
ゆきには違って見えてきて …
だから …
䨩が 裸のゆきのカラダを 毎朝
ゆきの色の " 白い ” シーツで
" 繭 ” の 様に包んで いたのは
たまたま そのこの最期と
その様が 似ただけ で …
だから これは!
毎朝 … あの家で …
仕事で出かけるために
起きた 䨩は …
" ゆきをぬくもりで温めるために ”
その横で 寝ていた自分が
ベッドから ひとり出る事で
そこへ残り
独りになるゆきが
寒がるのでは? と
裸のゆきを 護るように シーツで
包んでいた だけ だったのに …
だから これも!
" 大事に ” と 思った
その優しさから そうしていただけの
事なのに
それだって …
いまも
ゆきには解らないまま だけど …
―
… ワタシ は …
―
ゆきは動けないままだけど
カラダの内側は もう どこもかしこ
も 忙しく混乱 し
静かにしている様でも
いろんなところが 大きく変わり …
いまは
ゆきは 苦しいけれど
これは自分の 事 と ふりかえり
後悔もしている …
あの日 どうして 自分は
なにも確かめないまま
病院を抜け出してしまったんだろう
と …
―
… ゆきは ようやく
外に 出れた!
… ハっ!ハァア…
…ハっ!ハァ…
… ほら!
やっぱ! 誰もいない し!…
… ブルブルっ!
ゆきは 未だ気温の上がらない 早朝
だから 肌寒さにカラダが引き締まる
…ハっ!ハァア…
…ハっ!ハァ…
「 あ!
さぶぅ!」
… このカッコで 大丈夫?
か な …
ちが う のに …
いま 心配するのは
そこじゃないの に …
… だって 実 は
シン は …
だから
ゆきは …
そう
まだ ゆきは …
分かっては いない け ど …
… 慎は " まこと ” なのに なぜ
ゆきに " シ ン ” と 呼ばせたか …
でも …
知らなかったんだから
しかたないけれど …
あの主人が ゆきに
こんなに するのには
主人なりの
思い や 考えがあったからで …
でも それだって
いつも
なにも 謂わないままって
ゆきは 主人を 不信に!
きっと いまも つよく!
不満! に 思っているけれど
主人は ゆきに そうする事の
訳を 云えない事情? も あって …
ぁあ あ …
それなのに?
そんなに まだなにも
そんな 主人の
その 心持も 事情も …
知らないまま ゆきは
こんな事までしでかして
残念なこと …
知らないって!
ほんとはそれが
怖い事 だったのに …
だから
ゆき は 慎 と じゃ
幸せには なれないのに …
そうして
ゆきは 道路へ出ると
腕を伸ばし!
勢いよく手を振ると!
流していた taxiに乗り込み …
—
… ワタシ …
… あんなに コソコソしないで
ちゃんと䨩さんと向き合って …
自分の 思う事 だって …
ワタシ … 妻なのに …
母の事 自分の事 ばっかり考えて …
そんな … 自分勝手に
あの家で暮らしてて …
䨩さんを悪者にして?
怖がったりして …
… ワタシ が …
遠慮しないで 口に出して
解らない事 不思議に思う事
一緒に 暮らしてるんだから!
もっと ちゃんと!
䨩さんを みて
そんな䨩さんに
訊けば良かったんだよね …
ソシタラ こんな … オオゴトに
ならなかったのに …
ワタシって
ほんと に …
―
けれど …
䨩もゆきも 慎も?
その ヒトを思い遣って
そのヒトのために動くって
難しい …
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