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❀28.❁°˖✧
・・・トボトボトボ
・・・トボトボトボ
―
「 ふぅ-----」
―
ゆきがため息交じりで
やっと たどりついた? そこには …
… サラサラサラ ---
… サラサラサラ ---
八丈島の飛行場は
東京国際空港と比べ
て小型だから なのか
それは 偶然なのに?
―
… え?
―
っと! すぐに!
見覚えのある 大きなその姿は
目立つから? ぼぉ~っ と してる
ゆきの 目にも まっすぐに入った …
… サラサラサラ ---
… サラサラサラ ---
—
「 あ⁉ …」
「 ゆき⁉ …」
―
䨩は 丁度 に? そこに居た …
それに …
終ったハズなのに?
この島で ゆきが知っているのは
そこだけ と 分かっていたのか …
ゆきを追って
慎も そこに登場してしまい …
—
「 おい!
やっと来たか …」
—
慎はそれでも ゆきにではなく
鋭い目線を
その先 の …
ここへ来てから知った?
偶然? みつけた!
義兄の䨩に まっすぐ 向けて
スグサマ 威圧感までを 出す!
—
「 あぁ …」
—
䨩は 表情を変えず そんな義弟に
聲を荒らげる事もなく 穏やかに
返事をした
—
「 は?
" あぁ? ” じゃねえよ!
カッコつけるな!
何様だ! アンタは
よそもんのクセに な!」
「 … そうだな ここの海は
横浜とは違う色だ …
慎は ココの人間だな …
なぁ… 伯父さんは元気か?
久しくご無沙汰してしまって
なのに … 急に ゆきが
世話になった …」
―
䨩は伏し目がちに それでも
やっと遇えたゆきでは なく
その體は慎の方へと向き直した
―
「 … は ぁ?
" 世話になった?”
だと! ふ!
立派な亭主づらか?
アンタ!
ゆきに も!
ずいぶん ひどく
してたんだってな!
デカくなって
偉くなっても?
" あいかわらず ” か!」
「 ん?… いや
ゆきは 俺の妻だからな
守っていた だけだ …」
… え? 守られてた の?
—
この2人と 少し離れて立つゆきは
それでも その䨩の呟き? は
聴こえて …
ボソッ と こぼれた䨩の
そんな心根?に 驚き
その表情を窺う様に
目が大きくなる
—
「 ぁあ? なんだそれ!
テイサイか?
ゆきから聞いた ぞ
だから知ってるんだ!
なんでもやりたい放題
みたいだったじゃねえか!」
「 なんの事だ?
あぁ … 俺は ゆきを
安全な場所に移した
だけ だがな …」
「 ふ! 勝手に!
病院に閉じ込めてか!」
「 しばらく そこの方が
良いと思った …」
「 … 相変わらず
相手の気持ちも解らない
自己愛者 か!
アンタは
何人殺すつもりだ!」
「 …シン!」
―
これにはさすがに ゆきは
間に入ろうと2人に駆け寄り
口を出した けど
それでも 慎は止まる事はなく …
―
「 おまえ イイのかよ?
コイツといたら
おまえがオカシクなって
いまに 俺の母親
みたいに! なるぞ!」
「 もうやめて!」
―
ゆきが側に駆け寄ったから
慎の鋭い目線はゆきの動き合わせて動き
だからそんな酷い投げかけまで
慎の口から飛び出てしまい
ゆきは
慎に睨まれちゃったし
自分で口を挿んだものの
勢いだけで? だから?
反対に 打ちのめされて …
そんなゆきは
首を左右に大きく振り
その動きを自分で止める様に 両手で
耳をふさぎ 慎から顔を背ける様 に!
眉間に皺をよせ辛そうに俯いた
こんな場では
つぎの事の動きが
できないから ゆきは もう …
—
「 おい …」
―
この …
窮鼠なゆきの姿が目に入っている
慎の義兄で ゆきの夫の䨩は
…ダダっ!
っと! 渇いた空港の床に
靴音を わざ と? 響かせ
ゆきと慎の間に身を動かし
慎からは隠す様に
ゆきの前に壁をつくった
䨩は その一瞬 だけ ギラっ! と
そのエッジの効いた目力を慎へ向け
―
「…っ!」
―
その音と その形相に ひるんだ
慎は それで 口を噤んだ のに …
ゆきからそんな2人の顔は見えないし
慎からも隠されたゆきは見えない
だから
それ でも …
義兄弟だけで にらみ合いを続け
慎は目を細めると …
―
「 なんだ?
ゆきに 聞かれたく
ない 話か?」
「 俺は 本当に
スマナイと思ってる
あのときから
時が止まった様に
ずっとだ …」
「 ふ! なに
カッコつけて
ほざいてる?」
「 … な ぁ …」
—
まだ 慎がふてぶてしく?
細めた目から光る
眼光も鋭く 詰め寄るそぶりと
終れない?と 判ってるからの?
そんな憎まれ口には
反対に
䨩は 静かになって …
慎とゆき
この2人を おもっているから
上の立場の様を魅せ
この場を落ちつかせようと
まだ …
脅えて揺れる ゆきを後ろ手で抑え!
背中に隠し 頑丈な壁になった まま
慎を刺激しない様に自分の勢いを止め
目を逸らし
息を細く吐き …
トーンを抑えて
—
「 ふぅ …
慎 … なぁ 頼む … 」
… え?
—
䨩の後ろにいるゆきには広くて大きな
背中から 重低音の聲が聴こえてる
どうにかしようと間に入ったのに
慎の回転の速さに
ゆきは追いつけずに だけど
それでも!
なんとかしたいから …
ゆきは 䨩の聲をもっと聴こうと
凭れ掛る様に
片耳をその背中に そっと つけた …
―
… ん?
―
慎と対峙している䨩には
ゆきの温もりが伝わる
こうして …
ゆきを捕まえた 䨩は …
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