白と黒 …

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❀31.❁°˖✧ 「 な?  んだ!  おまえ!  なんでここ に?!」 — 回転の速い慎でさえ これには 反応が追いつかない程の 意外さで つい ひるんでしまい … この … カノジョ は  あの 住宅展示場のモデルハウス の インテリア担当の あ の カノジョ! —   「 ん? ねぇ! 私      せっかくアンタたちの         応援してたのに?      先生も …          ナンデ あの女?       私じゃ ナンデ ダメ?…」 — 慎の問いには答えず 相変わら ず? 自分の喋りたい事だけを 言い切り? 呆れた表情で慎の横に回り 飛び立った ばかりの飛行機を目で追って      顎を上げたまま 目を細め … リアクションも大げさに 肩を ガクッと落として ふてくされた態度を慎に魅せて いる? なら … 慎はストレートに? — 「 応援? じゃぁ …        おまえ が …」 — 慎は ようやく 頭が回転し? すっかりいつものスキの ない 鋭く標的に向かう顔になり       そんなカノジョを睨みつける —     「 睨まないでよ…       私は味方だってば!       ふっ … そうよ       私が あの仔犬も           ヤッタの …」 「 仔犬? も? って?       おい! それ …  ゆきが云ってた  あの家で可愛がってたって     あの仔犬の事 か?」      「 そ! だって!         キャンキャン           煩いから!」 … 嘘よ! 本当は あの女だけを狙ってたのよ だからあの家に行く度 あの薬を! そうやって … 徐々に弱らせて って … ま! たまに? 強く出ちゃって? あの女 2回? 入院したりして      っく! 順調だったのに! ぁ~あ! 意外とシブトイのよね 先に 仔犬が死んじゃったじゃない! ふっ!    主人想いの犬だこと … ― あまりに このカノジョは         ふてぶてしく …  慎をそれほど? 信用しているのか? 言った通りに 味方にしたいのか 全く悪びれずに 淡々と話す様は 異様に 生き生きしている様にも           見えてしまい … 慎は ここへ呼んだつもりはないけど カノジョを     放っておけない ― 「 ヤッ タ? って?  どうやってあの家に       入ったんだ?   セキュリティだって …」     「 ん? だって       私 ずっとあの家の       インテリア         コーディネート       してるから 都度         入り込んでたわよ?」 「 ぁあ? 都度?   入り込んでた … だぁ?」    「 そ! だから簡単!     あぁ~あ! あの女      ねぇ! どこが良いのぉ?     何にもできないじゃない!     あの家に居ても     " やってもらってばかり!”     ただ 寝てるだけ?      だから私      あの女が 先生と同じ物?     使うの 嫌だから!      あの家の中の物     ゼンブ! ちゃんと!     使い分けられる様に     先生のモノは " 黒 ”      あの女のモノは " 白 ”     って ハッキリ 分けて        やってたのに---!      しょうがないわね!      まぁ~ねぇ それなら!      まだ! 先生の愛人?     ペットで十分なのに?      ペットが ペット           飼って?     どうするのよ! ふっ!     なのに? は?        なんで " 妻 “?      図々しいぃ !     だから … さっさと      アンタと クッツイテ     出てってほしかったのよ!     やっぱ        助けてやろうってね     それを なんで!     還したのよ!         まったくぅ …」 ― カノジョは 口を尖らせ 手のひらを上に向けパタパタふって      恨めしそうに?      慎を横目で睨む けど … 慎は 眉間に皺をよせ  怪訝そうな顔つき で … ― 「 なぁ!     おまえ …  それ アイツは    知ってるのか?」   「 アイツって? 先生?          どうかしら …     でも 私は まだ             あの家の     コーディネートさせて         もらってるから     どうなの? それに!      あの女はノウテンキで      ぼぉ~っと してるから!      ねぇ  知って る?…     あの家って 働いてる人      多いのよ! なのに …     あの女 視られてるのに?     バスタオル捲いて で?     リビングでも        ウロウロしてるし     ソファでも寝ちゃうし …     あ! そうそう …     展示場でだって そ!     私に 気づかないのよ!     あそこで あの女          初出勤のとき     初対面じゃないのにさぁ!     " 初めまして … ”      ですって! やめてよ!      は? 腹立つ!それって       どんだけ 鈍いのよ …」 「・・・・」 … 俺 … は   コイツ と … ― つい少し前 の ここでは … 慎の様子に ゆきが  鏡に映した自分 を 見る様だと思った と 同じ に? こんどは 慎が このカノジョを睨んで はいるものの 苦虫を嚙み潰した様に         吐き気すら催すほど? そんな 自分にも 驚き … ― … なんで だ …  … なんで そこ ま で … ― それなのに? こんなカノジョから目が離せない! おまけに 冬でもないのに ブルッと! 寒くなった … で 慎は つい … ― 「 おまえ …    狂ってるな …」   「 は? アンタに     謂われたく ないけど?     ずいぶんじゃない!     いいの?      私が先生と一緒になったら      アンタ 私の義弟に?           なるのかしら …      くっ!      仲良くやりましょうよ …      あの女の事 まだ …        狙ってんじゃないの?     フッ!      協力するわ よ!        イケメンの義弟君!」 「・・・・」 … ぶるっ!       っく! … ― 慎は武者震い? が した … せっかく 慎は 落ちついた? と 思ったのに … ― … ふぅ~ん? ― 全く! 悪びれない! この! カノジョに向かって! 顎を上げ 右の眉を上げ 目を細め た … それじゃ また これから も … 慎が成し得る その緻密な狂気 は?     このカノジョ と 一緒に?  それとも  なにかとめんどくさそう な! そ の 図々しく も 勝手に入り 込んでくる ジャマなカンジ の?  このカノジョへと向かうの か? … ― 「 ぁあ …   わかった …」           「 … そ う?」
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