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美しい顔の男と醜い顔の男
❀32.❁°˖✧
… ぇえ! そ …
だって! 私が一番!
先生を愛してるんだから!…
―
そうカノジョは胸を張り
ゆきよりも なにかと
" 仕事 が おできになる ”
カノジョは …
そんなに自信がある者なのか …
余裕を魅せる様に いま!
ふたりは並んでいるのに?
横にいる慎など 気にやむ事すらなく
自分だけ 独りで 微笑んで た …
―
それからしばらくして …
あの
広い家の様子は 以前と変わり …
なんだか ニギヤカ ナ? カンジで
珍しい䨩の明るい聲も聞こえて る!
―
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カサササ
…カサカサ
…アンアン!
「 ぁあ …
ほらほら!
フローリング を …
走るなぁ …
滑ったら危ないぞぉ! 」
…アンアン!
…カサカサカサ…
ドタっ! …
どたどたどた …
「 ん? おっと!
また 逃げられた か …」
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カシャ! カサカサ…
「… フフフフ ❣」
… やだぁ~ ❣ … くすっ!
… なんでぇ~? 䨩さんたらぁ~
へたっぴぃ ねぇ~ ❣
―
いまは
家の中のいたるところで …
でも その姿…
大きな背中 太い腹周り 手足の短い
䨩は いつもはドッシリと構えてる!
のに?
だから!
ちょこまか? スバヤク あっち?
こっちに 動くタイプでもないのに?
も … ゼンゼン …
ニアワナイ のに …
己が愛して止まない!
その ゆき の せいで?
こんなに仔犬を追いかける毎日で …
それは 必要とあらば機敏に動く
仕事よりも頑張った! けど
なぜか?…
―
…ドタドタドタ…
「 ぉ … おいおい!
待ちな さぃ…」
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カシャ! カサカサ…
「… フフフフ ❣ 」
―
その仔犬に … は
なかな か …
䨩は なついて もらえ な い …
それは 以前よりもずっと!
䨩の在宅率が 高くなったほど
なのに?…
それでも!
それは この家の
あたり前の日常の様子になる ほど …
それはそれは!
とっても!
さんにんは楽しそう で!
そんな䨩の横に並び ゆきは …
そんな大きな音 で?
ドシンドシ ン?
ドッタ ン? バッタン?
ドタドタドタ! と?
そんな小さな者の 出す音 の?
…スぅ! スル~ゥリっ!
…カサカサカサ!
…カシャ カシャカシャ!
アンバランスぅ な!
このカンジ …
手こずる䨩と 天然な?
仔犬の 様子 で も
ゆき は … わざと?
" ママは強く! ” ジッ と
動かず に!
なんだか …
ま! " 期待 ” 感?
ギャラリーの様に
眺めていたくて …
それは 和やか! で
ほほえましく! って
" 嬉しい ” から …
でも?…
ちょっと? 䨩がカワイソウで ❣
やっぱり 口を挿む …
―
「 ぁあ … はい はい …
" まもる ” 走っちゃ
ダメだって! 滑るからね!」
…アンアン!
…カシャ!
…カサカサカサ…
…カシャカシャ…
…ドタドタドタ!
「 こ! こらこら
待ちなさい …
ま また 逃げられたか …」
… しゅん
…トボトボ
… ぁ~あ! 䨩さんの お顔 …
困ってるの? それ …
恐ぃ 顔だけど …
「 フフフフ!」
—
それでも " まもる ” は
我が道を行く マイペースぶりで
意外にも " 強い女の子 ” で?
傍には " 両親 ” が つきっきりで
護っている から?
この広い家の中でも
もう? 最初から?
" 怖い処 ” は なさそう で!
それは ママになったばかりの
ゆきを 安心 させる …
―
「 も! しかたないわね …
じゃ! お散歩!
今日は もう2回 め?
往きましょう ね ❣ 」
「 ん?
そうだな …」
…アンアン!
―
これに 眉を上げ …
元気娘に手をやいていた
䨩も ホッ! と したみたいに肯いて
これはこれは …
なんとも 親ばかな ふたりで
平和な一家だんらんの で?
なのに …
それは 突然 …
神様 の? いたずら なのか …
―
…ピンポン♬
… え?
…パタパタパタ!
「 はい? 」
… あ?… うそ? シ! ン? …
―
ゆきは ひとり で 固まった!
IP の モニターを 視て … 驚く …
しばらく そのまま
モニターを じっと視て いる
けど …
…pi
ゆきは なぜか …
オートロック解除をしてしまい …
だか ら!
—
『 … ちはっ!』
…カチャ
「 … ど う ぞ … 」
―
ゆきは䨩に訊かないまま!
慎を家の中に入れてしまった …
それなら まだ …
だれも 出迎えていないけれど
慎に玄関ドアも開けられてしまい? …
そこから …
新たな 風が
この家の中に起ってしまい …
―
…パタン
『 ふぅ~ん?』
―
玄関ドアを閉めに ゆきは そっちへ
向かい 走ったけど …
慎は 静かにとドアを閉めて
… タン!
動きがスムーズに?
靴を脱ぎ … スリッパを探し …
… ペタン! ペタン!
―
… ん? こんなん … か?
―
それは俊敏に辺りをさぐり!
それは 鋭い目線だけど …
さりげなく 動作は控えめ に …
それでも しっかりと!
慎は 完璧に して 魅せる …
―
… パタパタパタ…
… パタパタパタ…
… パタパタパタ…
… パタパタパタ…
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カサササ
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カサササ
―
なのに? お行儀悪く?
" まもる ” も 䨩を 置いて
ゆきについてきてしまい …
ゆきが " まもる ” と
急いだ玄関には もう すっかり!
―
… ハァ!
はぁはぁはぁ…
…アン!アン!
―
呼吸を整える前のゆきの目の前には
" ドキ ッ ” と するほど!
爽やかな面持ちの 慎が立っていて …
… サラサラサラ -----
―
… あ?
そ れ … やめ て …
―
ゆきは 風をカンジ た …
―
「 よぉ!
元気だったか?」
「 え! … う ん …」
―
慎は とびっきり! の笑顔が
マックス で めっちゃ 明る く!
まっすぐ 堂々と ゆきに向かい …
それにゆきは 自分で " 解除 ”
したくせに? 途惑い?
いま! 駆けてきた ばかりでも?
ズルっ ズル … 後ずさり! する し
顔が 引き つ る …
―
… ぇええええ?
どう し て
な の こ れ ?…
―
そこへ …
…パタっ パタっ パタ!…
—
「 … ん?
どう し た? 」
―
IPを覗かなかった䨩は その様子も
判らず に でも この家の主人の
" 顔 ” の まま 玄関まで出てきて …
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