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❀33.❁°˖✧
—
「 どう も!
上がらせ て!
もらい ます! 」
―
慎は 框を境に 横並びになり
キョトンとする ゆきと䨩
義兄夫婦をよけながら
でも!
横目で 艶っぽ く 片方のゆきだけを
チラ見し 口角を上げ …
眼が泳いでる? そんなゆきのパニクり
が 面白く て? ニヤケ顔で …
そのふたりから
まだ 家の中への手招きも
されて ないのに?
それに …
間取りも知らない初めての
処を?
ワクワク! と 楽しむように
キョロキョロ! スタスタ!
勝手にドンドン家の中へとススみ …
…パタパタパタ!
…パっタ! パタパタ!
だから!
その様子にゆきは焦り
䨩も慌てて?
そんなヤバイ慎を追いかけ …
タタタタタ! タタタタタ!
パタパタパタ! パタパタパタ!
そして " まもる” も また
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カサササ
…アンアン!
…カサカサカサ…
…カサササ
皆に置いて行かれない様に頑張って!
ついて往き
なのに! その起因の慎は?
住人の この慌て様の さんにん? を
振り返る事もなく
騒動の? 誘因役! を続け
あくまでも 堂々と!
平気な顔をして どんどん
入り込む けど
… だけど なんか
慎らしくなく? 不可解で …
その 真因は
ゆきと䨩には分からなくて
それなのに?
—
「 へぇ~ ひ ろっ!
これ? リビング か?
こんなカンジ … か!
やっぱ! 白と黒?
ふぅ~ん?
" 聞いてた ”
通りじゃん!
白のカウチがゆき で?
黒が義兄さんの か?」
… アイツ 本気かよ …
「 え? 」
「 ん? … 」
―
慎は ハウスメーカーに勤めてたから
なんとなく そのレイアウトも?
察しがついたのか
迷う事もなくリビングまで 入り!
もう? 中を グルっと 見渡し!
思った事を遠慮なく! 云いだした
それ は!
『 聞いてた
通りじゃん!』
と? ワザワザ 口に出して …
これに
ゆきと 䨩 ふたりは お互いに …
" 教えた の?”
" 教えたの か?”
と お互いに顔を見合わせて …
確認していた! のに?
そのスキ に?
慎は そんな ふたりも目に入っている
はずなのに?
もう まっすぐに
白いソファに近寄る …
―
「 ん?」
「 え?
シンは ファニチャーに
興味があるの? 」
―
䨩は これにも動かないけれど
いままでこの家の " 決まり事 ” を
" 守り ”?
この家の主人であるのに
" それは 白で ゆきのだから ”
と! そこへ腰かけた事がないのに?
驚き! そのワニ顔のギラ目は
大きくなるし …
ゆきは
慎の突然の訪問が解らないから
とりあえず 慎の云った事に
応えてみ る …
なのに?
慎は 物おじせずに …
背もたれに ズシ! っと 体を預け
魅力的な 長い 真っすぐな脚を伸ば
し て!
―
「 … んん?
ゼンゼ~ン! 興味ない!
まぁ …
座り心地はイイケド な!
あ! ところで!
なぁ 義兄さん さ!
俺 仕事辞めた し!
だから あそこ!
部屋だけ与えられてても
喰っていけないからさぁ!
ここ! の! 空き部屋?
住んでもぉ …
良いよ な? だってさ!
" ゆきのタメに!
ヤメた仕事 ” も!
いまはこんなんじゃさ …
就活 も 大変でさ!
まっ それも!
頑張るから さ!」
「 … ん? 」
―
ゆきの主人で慎の義兄の䨩は 口数が
少ない人間だから この頷きだけで …
でも これじゃ かなり 呆れ …
ポカン と 口が開く し …
なんだか 目の焦点が
合っていない し …
まぁ こんなに いきなりじゃ
普通のヒト? だって
何も云えずに な?
それは
事前の相談も? 挨拶も? なく
ズカズカ入り込んできて?
ここでも間髪入れず? な勢いで …
―
… え … それ は そう だけど …
「 なんで?」
―
ゆきも
これはいきなり過ぎて
驚きもそこそこ
あまりの勝手さに?
黙って は 肯けずに …
でも それは 確かに?
慎の " 無職 ” は?
自分のセイで このご時世
就活も厳しいだろうけど …
でもヤッパ り!
たまらなくなって
この家の主人の䨩に代わり
オモワズ 突っ込んだ! けど …
なのに さらに慎は …
この場をかき回すように?
—
「 あ? だってさ!
俺!ほんと!
" ゆきのために!“
ワザワザ!動いてやって?
逃がしてやろうと?
つきあって さ!
仕事辞めたんだし
島にまで戻った し?
で … あのあと!
俺だけ?島に残るかって!
考えたけど …
あの伯父さん も
小言ばっかで口煩いし!
まぁ年寄りだから?
朝も早くてさぁ!
な! それにさ!
俺が 仕事決まらないと
義兄さんも 心配だろ?」
「 … ぁ? ん …」
―
慎の
突っ走り気味の言いグサに
䨩は 首を傾げ …
思慮深いその性格から?
気に病み 想い続けてる
義弟の慎に対してだからか?
ここには一緒に居るけれど
ゆきにはこんな時に魅せてほしい?
時に ほかの者には魅せる
ワニの様な 獰猛さ も
迫力 も ゼンゼン でない …
それが判ってか?
慎は 䨩との島での対峙の続き?
で? そうしているのか?
それともその後のあの …
なのか?
これは いったい
本当は なにをしたいのか?
この場で ずっと
ひとり 平然と して いて …
だから!
—
『 あの ね!』
―
だから 自分の事は棚に上げ?
シカタナク? 再度!
この家の主人の䨩に代わり
一歩 " パタっ!” っと
ルームシューズで踏み込んで
前に出る ゆきは!
さらに頑張ってみる!
でも …
―
…アンアン!
…カシャ カシャ
…カシャ カシャ
—
それなのに このタイミングで?
横っちょの方 から?
まだここに来たばかりの 馴染みのない
慎なのに? それに似た様な この家に
入って まだ間もない " 仔犬 ” な
のに?
その明るい! " まもる ” が なぜか …
飼い主で パパ役の䨩? で は なく?
騒ぎの原因の
慎に? 駆け寄り …
ま! 幼い " まもる ” にしてみたら?
いま! めっちゃ!
鼻息も荒い 恐い顔のママよりも?
もともと めっちゃ!
めっちゃ! 恐い顔のパパより も?
ひとり ここで すまし顔の?
真逆な様の " 美しい顔の慎 ” なら?
そのつぶらな瞳には
どう映ったの か で …
ここで 横から? 視てたら?
さっきから ガヤガヤと 仲良く?
ここに一緒に居るんだから と!
そんな " なかま ”? に?
" 先住犬 ” としては まぁ 挨拶に?
自分アピールで? " 乗っかった ”?
の かもしれないけれど …
それを! 良いタイミングと
慎は みごとに 拾い? 上げ!
―
「 お!
この子 は?
あの時の か?」
…アンアン!
…カシャ カシャ!
…カシャ カシャ!
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