美しい顔の男と醜い顔の男

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❀34.❁°˖✧ そう! 慎はしらじらし く て! ゆきは それが 不思議 で こんな慎になったの は? 自分のセイと云われても なんだか  他人事の様に  それを受け流して 真に 受けない? のは … ―       … だって …          あのときは … 『 な? 解るだろ?  ちっとも 嬉しくない!  それに!  アイツから与えられて  たのは 住むとこだけ        でもない!  俺は な! 優秀な!  営業マンでもないんだ!  俺の客は アイツから   の 紹介 だからな!  ゆきが知ってる  あんときの 成績       数字 だって  " 出せてた ” の は!  アイツから 毎度!  良客 与えられてた  からだ! なのに?  それ! 誇らしいか?  俺は自分で なにも!    してないんだぞ!  だから! 俺は  簡単に!  あそこの  仕事を辞めたんだ!  俺 は!  ずっと!  あんなとこ!    嫌だったんだ!  な! アイツは 俺を  " なにもできないヤツ ”  と 決めつけて だろ!』 … って 云ってた … けど … まぁ… それだって 本心かどうか …       ワタシ 判らないけど …         でも これ は?… ― そう なのに? … 慎は ゆきにはそう謂ったのに  ここには 䨩も居るんだから ゆきに あのとき謂った 辞めた理由がほんと に?          そうなら? 自分のその気持ちを いま  䨩に 伝えたら いいのに? そんな自分の事は 謂わずに? ただ ゆきのセイにだけ? して?   それに? いま! 気づい た! かの 様に リアクションも大きく 床に両膝をつき サッと 胸を下げ 腕を 大きく広げ! だから? 䨩とは違い! パッ! って? サッ! と? その " まもる “ を 抱き上げ … " 劇的 な 再会 ” を 確かめ合う様 に? 疑いのない 満面の笑みで しっかりと " ふたり ”  で?  見つめ合い! — …アンアン! 「 おぅ! そうか!    判ったのか!  だな! おまえ!  ゆきと 俺の子!    だもん な!  いいぞぉ~ 賢いな! " パパ ” が 判るのか?      よしよし!  うん! 善い子だ!」          …アンアン!           『 え?』 ? … シン … 覚えて た の?  でも? なんだ か … 変! なんで いま? なんで …   こんなに引っ掻き回してるの?… 「 ・・・・」  「 ・・・・」 ― それは あまりにも 芝居がかって … ますます!  しらじらしく て 䨩を八丈島に導いた? " 義? の 慎 ” には 思えない? 似合わない      で? … もうすっかり! ゆきが忘れていた? ゆきが 考えなしに 言って シマッタ! だから! " もう すっかり 過去 ” な のに! なんでか いまさら?  しっかり ゆきに思い出させる様に それ に! それを知らなかった? 䨩にも? ワザワザ? 知らせる? 様に  云って のけた …           オカゲ で …  こんな慎を不可思議に思い怪訝な面持ち で だけど!前に出て勇ましかったゆき             なのに … まんまと? あっさり くじけて         恥ずかしくって? バツが悪くて?           赤面して ウツム ク… そう! ゆきは  学校で先生に叱られた生徒みたいに     バツとして     立たされているみたいに … 䨩の前で! 諭す? 慎の前で !… でも! まぁまぁ   それは そうで … ------------------------------------------ … ゆきは           ずっと 仔犬を抱いたままで        仔犬しか見ていない … 「 ゆき? 連れて帰っても      いいんだっ て …」       「 え? このこ?          一緒に帰る の?」 「 ぁあ …」 なんだか …  慎との子が? デキタみたい に?      単純なゆきは喜んだ       「 ね! シン?           パパ だね!」 「 ん? じゃぁ   ゆきが ママ か! 」         「… くぅ~ん 」 仔犬も返事をする ------------------------------------------        「 で も …          あれ は          あのときは … 」 — ゆきは あれから気持ちを切り替え! この家で頑張っていたのに! いまだって それを守るため! 䨩を護るため 頑張ってるのに! なのに! こんな事まで謂われたら … 後ろに居る 䨩の気配を感じながら も その表情を確かめるのも 䨩のためにと頑張るのも! 怖くて もう 動けなくなり ゆきは そんな自業自得で?  口ごもるしかない … その ふたりと 向き合って … その姿を " 為て遣ったり ” な  含み笑いで  眺めている慎 は  それで 満足して? 引くどころか まだまだ さらに突っ込み! 目のまえに立ち竦む " 加害者 ” な ふたりを 容赦 せずに? — 「 ハハハハ!    カワイイよな!  おまえは! ゆきと!  俺に! 選ばれた子!  だもんな! ほらほら!  たかいたかぁ --- い!  な! そうだぞ!   俺が " パパ ” だぞ!」           … くぅ~ん ― 抱きかかえられ 優しく背中をなでられ さらに喜ばせ様と ここで一番高く! 持ち上げられた " まもる ” は           無邪気に喜び!  尻尾を元気よく! ♪ フリフリ ♬ しながら  自分を 上手に扱う 慎に甘えた! ― 「・・・・」 「・・・・」 ― ゆきと 一緒に … この仔犬を ここ で 毎日! 懸命に追いかけ … 可愛がってた … はず! の 䨩は それを ボぅ~ っと 眺めて … " 脱 力 ” ? する … それなのに! — 「 じゃ!  そんな カンジ で  宜しくお願いします! 」          …アンアン! ― 慎は ニコっ と して! " まもる ” を しっかり胸に 抱いたまま  ふたりで 一体感 を 出しまくり! 再び ドカっ! と  ゆきの白いソファに腰かけた …  それは … だから! それは! 主人の䨩だって! そこには まだ! 遠慮して! 腰かけた 事が ないの  に! それ に! いま は? 䨩 が " パ パ ” なの に! それじゃ! " まもる ” を " 人質 ” に?       じゃないけど! あまりにも サラッ … と!  䨩に できなかった事が 慎に は      " できちゃって!” だけど!  これ じゃあ … さすがにゆきも 自分の事よりも そんな目にあわされた  䨩が 気の毒 過ぎて … いま 怖くて 振り返れないけど! たぶん … ずっと ゆきのうしろに きっと いまも これに堪えながら ミセラレテ も 控えて  居る! だから そんな䨩が 心配で それには  " やっぱ頑張らなきゃ ” と! —    『 シン?     " まもる ” は!     ワタシと䨩さんの 子で …』 「 え? おまえ?  " 守 ” なのか?  は? 女の子だよな!」 …アンアン!    「 あ …      でもね! このこは      ワタシと䨩さん で …」 ― 確かに ゆきが䨩に! 慎との事を話さないまま! " ねだって ” 飼う事になった     この仔犬は 女の子で … でも いろいろあった から … ゆきと しては! 今度こそは! って 思いも 込めて! だからゆきは " まもる ” って  したかった! から で!  それを 䨩も 分かってくれて た のに … 慎の ひとり芝居は 続き … ― 「 やだやだ~      やでちゅよねぇ~!  こんなに   可愛い女の子なのにぃ?  " 守!“ ? じゃぁ!     ガチで オ モ!   て?  かわいそうでちゅぅ~       な! ら!   パパ が!    決めてやるぞぉ---!  " ココア ” が       良いでちゅ    ねぇ---!      " ママもぉ!”  ココアが 好っきぃ!    みたいだちぃ---!  ココア! でしゅ!     な ---! ココア!」      … アンアン!     「 ぁ … え?       ココ ア? は …」 … ねぇ! シン? どうしたの          おかしいよ! … 「・・・・」 ― ゆきは そう云われると もう こんな慎に は   敵わなくて …           只管 呆れ ゆきの後ろで大人しかった䨩の顔は だんだん と 険しく なって …
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