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❀35.❁°˖✧
―
ねぇシン?…
そうだよね 確かに …
自分では もっとデキルと思ってるのに
一方的に なんでも与えられてしまうと
… それに 潰されて
やる気もなくなって …
無気力になるし
してくれたその人にだって
嫌悪感も って なって? しまうし
嫌になる気持ち も …
ワタシだって そう だったから …
… でも 島では 䨩さんだって
ちゃんと! 前に!立ってくれたじゃな
い … あれじゃダメなの?
シンが … ここまでするの
なん で …
―
ゆきは 慎がこんなんでも?
背中に気配だけは感じてる
だから 居るはずの
䨩は
黙ったままだ から?
改心し た! ゆきは
やっとできあがった?
始まったばかりの
この生活を守るために?
こんな慎になっちゃったけど?
なら! どうにかするために
いろんな事
考えなきゃいけなくて?
でも もともと ゆきは …
慎の様に回転が速いわけでも なく
䨩の様に 鋭く賢い わけでもない
から
頑張ってるけど!
もう頭の中は " 飽和状態 ” で
煮詰まっちゃってるし?
でも
これも そう … 慎の云う通りで
いま慎の謂ってる ココアは …
ゆきにも思い出される
きっとあの日の 事 だから …
--------------------------------------
…パタン!
慎はそんなゆきから 目を離し …
急にせわしく いったん ひとりだけ
で? 車から 出て往き …
…タタタタタタ
その足で スーパーに入ると
しばらく そのまま見えなくなって
だから
ゆきは ぼぉ~っと
それも目で追い …
それでも慎は 長く ゆきをひとり
放ってはおかずに 少し 経ってから
くらいに 再び車に戻ると
その手には 零れない様にと
大事そうに 温かい ココアが …
… パタン
甘い香りを漂わせて …
「 ほら!
持てるか?」
「 う? ん …」
で …
温かいまま
温めたいゆきに持たせる …
「 ゆっくり …
それ 飲んでて な …」
慎は
静かに 車を 動かした …
…ひゅ----ん
… ゆきは
そのココアを大事そうに …
しっかりと握りしめ 手のひらから温か
さが伝わってくるのを 嬉しそうに …
ギュッと閉じていた
口が緩むと
一口 … 口に含むと
慎に謂われた通り もう 黙った …
「 … どうだ?
少しは
良くなってきたか?」
「 … うん 」
ゆきは 温かいまま
ココアを飲めたみたいだった …
…ひゅ----ん
「 ん? なぁ 腹?
治った か?」
「 うん!
" シンのココア “
美味しかったから!」
「 そか …
良かった …」
--------------------------------------
慎は そのとき …
ゆきは自分の方に向いていた と
ゆきは䨩よりも自分を想っていた と
ゆきに 想いださせるだけじゃなく!
䨩にも そう ニヨワセ た …
だから ゆきは困惑し …
だけど
それに
でも!
䨩は まだ? 静かに?
後ろに居るし
けど黙ったまま で だし …
ゆきは それにも 焦り …
また とりあえず 言い返すけど
もう 頭は動いてはいないから …
―
「 あ …
あのね! シン?
だから!
そのこのパパは
シンじゃなくて …」
『 もう !!
いい !! …』
…バタっ!
…ドタドタドタ!
…" バっタン!"
きゃ! え?
…ぅわ -------!
うっ そ!
「 あ! 䨩さん …
まって …」
—
いきなりな? 䨩のその大きな聲に
驚き振り返ったけど!
そんな同じ事を繰り返し言い続けるしか
脳のない ゆき は …
そもそも
危険回避能力もなく あっさりこの家に
慎を入れてしまい … さらに!
機転が利かず? 問題解決能力もなく?
ただ 取り乱すだけの? 無能? 無力
だと?
呆れた … のか?
ゆきは話をもとに戻そうとした
し 䨩を守ろうとしたつもりだけど
それじゃ満足しないのか?
それとも
あまりにも やり過ぎ る 慎に か?
とうとう
静かだった 䨩はキレて!
ゆきの主人で 慎の義兄の䨩は
そ う ふたりに? 言い放つと
ゆきは引止めたけど
慎の処に? ゆきを残して?
ひとり で?
リビングから 出て往った!
―
「 ぁあ ~ あ?
ご立腹ぅ かぁ~?」
そ! れ …
どうなんだよ義兄さん
おぃ いぃ? … ゆきを おいて?
ひとりで か …
ちょっと揺さぶっただけで か?
それで … あんた は
良いのかヨ …
俺は … " こんな家に ”
ゆきを 独りには しないからな …
―
䨩は ゆきを心配し て?
この家には
cameraを設置しているし
周囲もセキュリティ会社にしっかり
守らせているし
" まもる “ も 与えて
ひとりにはしない様にしてるのに?
慎は それでも?
とぼけたことを云う
それに
ゆきは大きくため息をつき …
―
「 ふぅ―――――!
あたりまえでしょ!
ねぇ? どうしたの?
シン? 別人みたい …
それにこんどは?
ワタシにもなの?」
「 ん? 別人?
ゆき? 俺の事
ほんとに判ってんの?
なんだか さ …
ずっと自分の事ばっか!
だった! じゃん?
ま! いまも か?
" ワタシにもなの?”
ってなに?」
… おまえだって 俺に …
「 え?」
… だって シ ン?
八丈島 で は ? …
「 … フフッ♪
まぁ いいけど …
これからは さ!
ここで 一緒にな …
ん … まぁ!
な! こいつも!
任せとけ な!」
… アンアン!
「 なんでよ!
" まもる ” は ダメ!
シンのじゃないから!」
… なん? な の? よ …
―
ゆきは " まもる ” を取り戻そうと
手を伸ばしたけれど
" まもる ” は そんな強い口調の!
恐い顔をしているゆきを嫌がり
慎に抱かれたまま
慎の左腕 そのわきの下に顔をうずめ
隠れたつもりでいるし …
そのまま抱かれた " ココア ” ?
" まもる ” ?
は 隠れていても!
ゆきよりも先に慎に返事をした …
―
「 ぁあ!
もぅ …」
「 ふっ!
な! 俺の方? が!
良いっ て!」
―
慎は 自分が " 選ばれて ”
得意そうな顔をする …
" まもる ” を しっかり抱きしめ
ゆきには渡さない …
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