未来に向かって

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「奈々さん、お待たせしました」 奈々は、理桜と一緒にやって来た女性を見て挨拶する。 「日比谷奈々と申します」 「師長の片瀬です。お迎えに来ていただいてありがとうございます」 「とんでもない。澪ちゃんは私にとって大切な友人です」 「ご主人が忙しいと聞いているので、近くに頼れる方がいて安心です。明日はお休みにしたのでお任せしてもよろしいですか?」 「もちろんです。理桜ちゃん、澪ちゃんの荷物をもらえる?」 「はい!今持ってきます」 理桜が取りに行っている間に澪を起こす。 「澪ちゃん。澪ちゃん」 澪は、うっすらと目を開けるが状況がわからない。見慣れた職場の天井に、なぜか奈々の声が聞こえる。 「…」 「澪ちゃん大丈夫?体調はどう?」 「奈々さん!?何で?」 「理桜ちゃんに連絡をもらったの。澪ちゃんはきっと湊斗くんに心配を掛けたくないだろうからと」 図星の澪。 「すみません。確かに、今湊斗に知らせたくはないです。でも、奈々さんにご迷惑を掛けちゃって」 「何言ってるの。いつでも頼って」
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