2131人が本棚に入れています
本棚に追加
「奈々さん、お待たせしました」
奈々は、理桜と一緒にやって来た女性を見て挨拶する。
「日比谷奈々と申します」
「師長の片瀬です。お迎えに来ていただいてありがとうございます」
「とんでもない。澪ちゃんは私にとって大切な友人です」
「ご主人が忙しいと聞いているので、近くに頼れる方がいて安心です。明日はお休みにしたのでお任せしてもよろしいですか?」
「もちろんです。理桜ちゃん、澪ちゃんの荷物をもらえる?」
「はい!今持ってきます」
理桜が取りに行っている間に澪を起こす。
「澪ちゃん。澪ちゃん」
澪は、うっすらと目を開けるが状況がわからない。見慣れた職場の天井に、なぜか奈々の声が聞こえる。
「…」
「澪ちゃん大丈夫?体調はどう?」
「奈々さん!?何で?」
「理桜ちゃんに連絡をもらったの。澪ちゃんはきっと湊斗くんに心配を掛けたくないだろうからと」
図星の澪。
「すみません。確かに、今湊斗に知らせたくはないです。でも、奈々さんにご迷惑を掛けちゃって」
「何言ってるの。いつでも頼って」
最初のコメントを投稿しよう!