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「本日0時をもって、関東爆走連合クレイジーオレンジの総長は、二郎!お前に譲ることにする。野郎ども、異存はねえな?」
「おやじ、、、、」
俺は関東一の規模を持つ暴走族の頭の息子として生まれ、エキゾーストノートを子守唄に育ち、16年間親父の後ろにのっかって、この2年は自分で愛車を転がしていた。
そして、18歳の誕生日をもって、総長の座を譲り受けることになったのだ。
「よろしいですね、名誉総長」
親父が声をかけると、祖父はゆっくりと微笑み、そして頷いた。
「おめでとう」
白の特攻服のお袋が俺をだきしめる。
「がんばって」
赤の特攻服の妹が俺の尻に蹴りを入れる。
総長になんてことしやがる。妹でなかったらシメてるところだ。
そして、俺は峠に集まった家族に向けて声を放つ。
「野郎ども!今日から俺が総長だ!派手に祝ってくれ!パレードの始まりだ!」
一斉に数えきれない二輪と四輪のヘッドライトが点り、俺の誕生日を祝うエンジン音が耳をつんざく!
フォーン、フォン、フォン、フォン、、、、、
あああ、狂おしいほど、ステキな誕生日になるぜ。
クレイジー俺ん家!
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