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1.定家の生きた時代
なぎさ:藤原定家ねえ、俳句じゃなくて和歌だよね。百人一首にも出てたかな。
わたし:いや、定家が百人一首を編纂したの。
なぎさ:へえ、じゃあ自分の和歌を入れたの? そういうことするとSNSでディスられるよね。
来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに
焼くや藻塩の身もこがれつつ
だっけ。百人一首はだいたい覚えちゃったから。現代訳は……人待ちしてたら炎上したとか?
わたし:ったくもお。現代訳はググってください。この歌みたいに掛詞や縁語があると、自然な文章にならないし。
なぎさ:ふーん。自信ないんでしょ。
わたし:違うもん。……高校の古文で、百人一首を夏休みに全部覚えて来るようにって言われたなぁ。
なぎさ:覚えれた?
わたし:全く! 覚えようともしなかった。それが何のめぐりあわせか、百人一首の編者の定家のことを語りたくなるなんてね。
なぎさ:人生そんなもんだよ。
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