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電話は病院からだった。
僕が出ると看護師さんから主治医に変わった。
「はっ?えっ?それはどういうことですか。間違った?!僕の画像と八十八歳の男性の画像とを間違った?!え、え、ということは僕の余命宣告は……なし。ガンもなし、他に特に異常もなし。健康体、すこぶる健康体。いえそんなに謝られましても、いいですいいです。今の僕はまだ生きられると先生に断言して頂けただけで十分です。だ、だいじょうぶです──おかげで生まれ変わった心地がします。ええ分かりました。来週伺います。僕の本当の画像を見せてもらいに……」
こんなこと
ちょっと待て
気持ちの切り替えが
心のハンドルどっちに切るよ
右?左?
落ち着け落ち着け
僕は病気じゃない
半年先も一年先も生きられる
バ、バンザイ
バンザーイ
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先ずは優香に電話だ。
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