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7月下旬頃まで、エンジェルズはリーグ全6球団中4~5位あたりをうろついていた。が、8月に入って最初の試合、思わぬ転機が訪れる。
その試合、渋谷が終盤に二本のホームランを放ち、エンジェルズは大逆転勝利を収めたのだが、その日を境に、渋谷の打撃成績が急激な上昇カーブを描き出した。
また渋谷の覚醒に引っ張られるような形で、チームも驚異的なスピードで白星を積み重ねてゆく。
9月下旬。とうとう首位に立ったエンジェルズは、その後も順調に勝ち続け、来る10月2日、とうとうリーグ優勝に王手をかけた。
「いいかお前ら! 悲願の優勝は目の前だ。だが決して油断はするな! ここでもたつくようなら、あっというまに勝利は手から滑り落ちる。今日、優勝を決めるぞ!」
「おうっ!」
監督の熱い檄が飛び、選手たちが応える。俺もまた、気をぎゅっと引き締める。
そして、のちに伝説となる一戦が幕を開けた。
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