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『見える。見える。伶菜ちゃんも陽菜ちゃんも元気になって来たからでしょ?』
「・・・・・ええ。おかげさまで。奥野さんが出産に立ち会って下さらなかったらと思うと、ぞっとします。」
伶菜ちゃんとは彼が溺愛してやまない奥さん
彼女は娘の陽菜ちゃんを出産する際に母子ともに生死の境を彷徨った
その時に主治医としてその場にいたのがあたしで、
日詠クンは家族として出産に立ち会っていた
そんな中での母体の急変
陽菜ちゃんを取り上げたのがあたしで
伶菜ちゃんの命を救ったのが彼
でも彼女の意識がすぐには戻らなくて
彼女を見つめる彼は
傍で見ているこっちが苦しくなるぐらい自分自身を責めていた
それでも神様はちゃんといて
彼の“生きて欲しい”という強い願いが伝わったのか、ふたりとも日常生活を送れるまでに回復したらしい
それから初めて迎えるクリスマスが近付いてきているからだろうか?
日詠クンはようやく穏やかな笑みを浮かべた
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