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『もうすぐクリスマスだけど、プレゼントはちゃんと用意した?』
「忙しかったんで、子供達の分は伶菜が準備してくれてます。」
『・・・・伶菜ちゃんにはちゃんと用意したんでしょうね?』
「・・・・・・」
エレベーターの天井を見上げたぽかんと口を開けた日詠クン。
これはまだ・・・だな
伶菜ちゃんも物わかりが良すぎるから
“プレゼントなんかなくても、ナオフミさんが子供達との時間を楽しく過ごしてくれればいいの”って言ってあげるんだろうな・・・
そういうツメの甘い日詠クンのことをなんかムカつくと思うぐらい
今のあたしは妹みたいな伶菜ちゃんのことも大切
だから少しは反省させたくなる
伶菜ちゃんに甘えっぱなしの彼を・・・
『あ~森村クンから“クリスマスイヴ、産婦人科の勉強会とかやってよ、俺はレイナと“子供が寝た後の真夜中のラブパーティー”をするから♪・・・って相変わらずなメール来てたけど。』
「・・・・は?」
予想通りの困惑した顔
『その顔はもしかしてイヴは勤務?』
「・・・・・若手のドクターがこの日だけはってこぞって休暇希望出してきたんで。」
『あ~、それはヤバい。森村クンは実行するかも。伶菜ちゃんも彼には脇が甘いしね。』
「・・・・・・・・・・・・」
森村クンとは日詠クンと同じ病院に勤務している整形外科医師で
大怪我した伶菜ちゃんの手を完璧に治した腕のいいドクター
普段はビックマウスなこの男
けれども伶菜ちゃんを想う気持ちは実はとても繊細らしく、
彼女が日詠クンと一緒にいても
彼女が幸せでいてくれればそれでいいと心の中では想っているらしい
その想いを伶菜ちゃんもわかっているからこそ
彼女は森村クンを突き放すことができないままでいるんだと思う
それは日詠クンにとっても同じ
森村クンに嫉妬している割には
彼女に近付く彼を引き離すことができないのは
男としての実力を認めているからなんだと思う
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