4 魔法学園と青い春

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 4ー6 試験開始!  午前中は、筆記試験だ。  俺たちは、それぞれ別々の教室に別れて試験を受けることになった。  俺は、歴史以外は楽勝だった。  心配なのは、リリウスだ。  エディットとライディアは、そこそこできてる筈だしな。  昼の休憩時間に待ち合わせていた俺たちは、開口一番、リリウスに訊ねていた。  「どうだったんだ?リリウス」  リリウスは、ぐっと黙り込んでから、一呼吸おいて答えた。  「大丈夫だ、と思う」  俺は、ほっと一息ついた。  この様子なら大丈夫だろう。  後は、午後からの実技だ。  俺たちは、昼食を学生食堂で食べることにした。  学食は、広くてとても混雑していた。  だけど、俺たちが近づくとみなが席を開けてくれた。  なんか、複雑だけどよしとしよう。  俺たちが席に着くと食堂のウエイトレスさんたちが食事を運んでくれた。  この日のメニューは、スープとパンと焼いた肉だった。  スープは、そこそこ美味しかったけど、パンは、固く食べずらかった。  俺は、パンを割ると間に肉を挟んでみた。  肉汁が染み込んでパンが柔らかくなってちょっとはましになった。  リリウスやエディットも同じようにして食べていた。  ライディアは、ちょっと迷っていたけど、すぐに俺たちと同じようにして食べ始めた。  「おいしい」  ライディアが驚いた様子で呟く。  俺は、満足げに頷いた。  この世界じゃ、まだこういう料理は、開発されていない。  回りの連中がじろじろと俺たちを見ていたが、かまうもんか!  俺たちは、楽しく食事をとった。  昼食後は、いよいよ実技の試験だ。  俺たちは、実技の試験会場の入り口に張り出された組分けにしたがっていくつかのグループにわかれた。  俺たちは、別々の組に分けられていた。  試験は、対戦形式なので同じ組にならなくってよかった、と俺は、胸を撫で下ろした。  特に、リリウスと同じ組にならなかったことは、幸運だった。  リリウスと組手をして勝てたことがなかったからな  俺は、朝にあったあの公爵令嬢と同じ組だった。  俺を見た公爵令嬢は、露骨に嫌そうな顔をしていた。  でも、しょうがないよね。  俺は、彼女から少し離れて立っていた。  俺たちの試験の担当の教師はラムロスという先生だ。  背の高いがっしりとした体格の脳筋タイプの黒い髪に茶色い瞳の男らしい人だった。  試験は、対戦形式だった。  俺の相手は、公職令嬢クリオだ。  俺たちは、ラムロス先生に従い中央に進み出た。  先生から木剣を渡されると、向き合って礼をした。  「では、始め!」  
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