124人が本棚に入れています
本棚に追加
5ー3 カフェですか?
俺は、快く了承した。
セレスさんが腕をあげてくれれば俺がわざわざ料理しなくってもいいしな。
俺は、週に二回セレスさんに請われて料理を教えることになった。
代わりに調理場への出入りが自由になったので、俺は、ちょこちょこと調理場に行ってはおやつや、軽食を作るようになった。
なにしろ成長期なもんで、すぐに腹が減るんだよ!
俺は、ジャガイモもどきでフライドポテトを作ってみた。
これには、ロナードが夢中になった。
「タロイモにこんな食べ方があったなんて!」
ロナードは、作業しながら摘まめる物がいいらしく、俺にこれを毎日作ってくれたら1ヶ月に銀貨3枚やるとかいいだした。
けっこういい話なので、俺は引き受けることにした。
けど、毎日フライドポテトだと俺が飽きるのでポテトチップスやら、パイやらいろんな物を作ってみた。
もちろん材料費は別で請求したけどな。
ロナードは、すごく喜んでいた。
マジで、俺、こいつのこと餌付けしてる?
俺の作っているお菓子類のことは、すぐに寮生たちの間で知られるところとなった。
そのせいか関係のない奴まで俺の部屋に入り浸るようになっていた。
その内の一人がココだ。
ココ、本名、ココナム・プロフェナールは、アルディスで一番の商人であり、商業ギルドの長である人物の息子だ。
ココは、俺にお菓子のレシピを売ってほしいと言ってきた。
だけど、俺は、躊躇してしまった。
俺には、付き合いの古いライドウがいるからな。
そう話すとココは、ライドウとプロフェナール商会の共同出資でスィーツの店を出したいとか言い出した。
俺は、ロロを飛ばしてライドウにココの話を伝えた。
すると、返事がすぐに返ってきた。
『もちろんだ!』
というわけで俺は、ライドウとプロフェナール商会の共同出資の店にお菓子のレシピを売ることになった。
売るのはリンゴとよく似たグルのパイとシフォンケーキのレシピだ。
おまけで生クリームのレシピもつける。
店は、首都アルディスの中央の立地条件ばつぐんの場所にできることになった。
俺は、店のコンセプトをお洒落なカフェにしたかったのでウェイトレスの制服とかもこだわって用意してみた。
すると、その服を見たココの親父さんとライドウから二つ返事でOKが出た。
『可愛すぎ!』
だそうだ。
まあ、ちょっとメイドカフェの制服風にしてみたんだがな。
俺は、店のオープンをひそかに楽しみにしてたんだが、その日は、学期末のテストの日と重なってしまったので、俺たちは行けそうになかった。
残念だな。
最初のコメントを投稿しよう!