5 魔法学園と青い春(2)

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 5ー5 ギルド長ですか?  店がけっこう繁盛しているようで俺は、ほっとしていた。  俺たちが店の隅っこのテーブルで和やかにグルのパイやシフォンケーキを味わっているとメイドさん、いやウエイトレスさんがそっと近づいてきて俺の耳元で囁いた。  「奥でギルド長があなた様にお会いしたいとお待ちになられています」  ギルド長だって?  俺がライドウの方をうかがうとライドウが緊張した面持ちでこくりと頷いた。  俺とライドウは、席を外してウエイトレスさんの後について店の奥へと入っていった。  店の奥にある執務室にはココとよく似た茶色の癖毛の髪に思慮深そうなダークグリーンの瞳のおじさんが待っていた。  おじさんは、俺の手をとると額につけるような素振りをしてからにっこりと微笑んだ。  「君がクロージャーくんか。なかなか会えなかったが、会えるのが待ち遠しかったよ。息子がいつもお世話になっているようだね」  「ココナムくんには、俺の方こそいつもお世話になってます」  俺は、おじさんの手を握りしめながらにっこりと笑った。  プロフェナールさんは、俺たちにソファに座るようにすすめると自分も椅子に腰かけた。  「で?どうだったかな?このカフェは」  「なかなか繁盛しているようですね」  俺は、答えた。  「お茶もお菓子も申し分なかったですし、店員さんの制服も可愛くできてますね」  「そういってもらえると嬉しいよ」  プロフェナールさんがうんうんと頷いた。  俺は、プロフェナールさんとライドウに提案した。  「もう少し、メニューを増やしてもいいかもしれませんね」  「ほう、例えば?」  プロフェナールさんに訊ねられて俺は答えた。  「パフェなんてどうでしょうか?」  「ぱふぇ?」  プロフェナールさんが首を傾げる。  「なんだね、それは?」  ライドウも目を煌めかせて俺の方を見ている。  俺は、二人に説明した。  「アイスクリームと果物と生クリームを塔のように盛り付けた甘味のことです」  「あいすくりーむ?」  二人は、興味津々で俺にきいてきた。  「それは、どんな食べ物なんだ?」  そうか!  俺は、はっと気づいた。  この世界には、アイスクリームはまだ存在しないんだ。  冷たいお菓子という概念自体がないんだ。  俺は、二人に今度作って見せる約束をしてからみんなのもとへと戻った。  プロフェナールさんがついてきて、ライディアに対して礼をとる。  「お久しぶりでございます。殿下」  「ああ、あなたもお元気そうでよかった」  ライディアは、微笑むとプロフェナールさんに手を差し出した。  プロフェナールさんがその手をとり軽く口付ける。  「お母上様は、お元気ですか?」  「母上は、最近は、わりと体調がいいとのことだ」  ライディアは、答えた。  
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