5 魔法学園と青い春(2)

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 5ー12 混浴ですか?  オウラは、遠慮も恥じらいもなく俺の横にすり寄ってきた。  「しかし、この村は、なかなかよいところだな、婿殿」  いやいやいや。  俺は、まだ婿じゃねぇし!  俺は、心の中でシャウトしながらも穏やかに応じていた。  「それは、よかった」  俺は、そっと風呂から上がろうとした。  すると、エディットが俺に声をかけてきた。  「もう、上がっちゃうんですか?クロ様」  「ほんとだ。背中でも流してやろうか、婿殿」  マジで、勘弁してくれよ!  俺は、頬が熱くなってくる。  「いや、この後、用事があって」  「まあ!」  エディットが俺の方にそっと近寄ってくる。  「お顔が真っ赤です。大丈夫ですか?クロ様」  「だ、大丈夫だ。心配いらないから」  俺は、視線を泳がせた。  マジで、目のやり場がない!  2人とも、大胆すぎだろ!  いくら子供同士だっていってももっと慎みをもってくれよ!  俺は、さっさと風呂から上がろうとして不意に足を滑らせてつんのめった。  しまった!  と、俺は、何か柔らかいものに受け止められていた。  「大丈夫ですか?クロ様」  はいぃっ!?  俺は、エディットに抱き止められていた。  マジですかっ!!  俺は、慌ててエディットから体を離そうとした。  でも、ばたついてしまうだけでなかなか離れられない。  手を振り回した瞬間に、俺は、柔らかな膨らみに触れてしまった。  それは、オウラの小さな胸だった。  「婿殿」  オウラがポッと頬を染めた。  俺は、慌てて謝った。  「すまないっ!」  俺は、急いで風呂から上がると脱衣場に向かい、服を掴んで走り去った。  胸が。  痛いくらいにドキドキしている。  言っておくが俺は、断じてロリコンではない!  こんなまだ女になる前の少女たちの裸を見ても欲情したりはしないのだ。  だけど。  俺は、風呂場から逃げ去りながら思い出して頬が熱くなった。  エディットは、柔らかくって暖かくっていい匂いがした。  オウラは、抜けるように白い艶やかな美しい体をしていた。  こんな2人と俺が婚約者なの?  俺は、その夜胸が高鳴ってなかなか眠りにつけなかった。
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