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第一章 アダルベルト学園
「こ、この手紙は。」
「凄いじゃないこれ。」
僕は、そんな声をぼんやり聞いていた。
両親は、何を凄いと言っているんだろう。
二階まで声が届くぐらい興奮することってなんだろう。
「ノア、ちょっと来て。」
「は〜い」
返事をして階段を降りる。
リビングに入ると、思いつく限りの祝福の言葉を浴びせられた。
「ど、どうしたの」
戸惑いながら僕は聞く。
「あの。名門アダルベルト学院から、推薦状がきたの。凄いでしょ。」
「アダルベルト学院」この言葉に思わず体が凍りついた。
そんな僕に気が付かず、お母さんは話を続ける。
「それでね、行くことになったのよ。全寮制だからあまり会えなくなるけど。
あっ、はやく荷造りをしなきゃね。」
「あの、それって決定事項?」
恐る恐る、僕は聞く。
「ええ、もちろん。」
はぁ、やっぱり。アダルベルト学院だけは、行きたくなかったのに。
って、ここで自己紹介。僕は如月ノア、小6だ。この、アダルベルト学院は、超名門校。そう言われてるだけあって倍率が超高くて、なかなか入れない。でも、なんと!この推薦状を受けた人は、何があっても入れる。でも、この推薦状を貰えるのは、
たった一人。しかも、一番学園を嫌ってる人に配るんだってさ。嫌がらせとしか思えないよ。まっ、あくまで噂だけどね。
で、そんな推薦状を、僕がもらっちゃったわけ。
全く嬉しくないよ。
でも、これで両親が大騒ぎする理由がわかったでしょ。
で、なんでアダルベルト学院に行きたくなかったのかって言うと、
おっとと、もう時間だ、そろそろ本編に戻るね。
「いつから?」
「9月からよ」
海外式かよ。
アダルベルト学院の皆さん、ここの国名知ってますか?「日本」ですよ、「日本」
アメリカでもなんでもないですからね。
「じゃあ、この休みおわったらすぐ?」
僕は、精一杯冷静な声で聞く。
「そうよ。」
だから、ここは日本だっつてんの、アメリカでも、イギリスでも、フィンランドでもないの。ということで、僕は、アダルベルト学院へ行くことになった。
アダルベルト学院につくとすぐ、校長室へ、通された。
校長先生は、背が高くて、厳しそうな女の人だ。
校長先生は、僕に生徒手帳と制服、それと腕時計みたいなものをを渡して、一方的に説明を始めた。
「今渡した生徒手帳に、校則が書かれています。校則を破ると罰則もありま す。罰則の重さは、校則の横にある丸の数で決まります。罰則を行うのは、
風紀委員です。他にも、成績と普段の態度が良ければ、シガルというポイントが貰えますポイントが貯まると階級が上の寮に行けたり、シガルをそのま、この学院内で通貨として使うことができます。シガル数は、そのスマートウォッチで確認できます。そのスマートウォッチには、通話機能、運動記録機能などたくさんの機能がついています。質問は?」
「ありません」
と僕は答える。
「では、寮へ向かってください。あなたには、三番目の寮、レザンに入ってもらいます。外で、生徒会役員が待っています。早く行きなさい。」
「はい」
入ってきた扉から外へ出る。
外には、、、あれっ誰もいないな?
と思った矢先、
「早く行きましょう」
突如、横にモデルみたいな体型をした男の人が現れた。
「はっ、はい」
なんか変な返事になっちゃった。
「私は、郁といいます。あなたは?」
「僕は、如月ノアです。」
「では、如月さん、寮についたら、すぐに生徒手帳を開いて校則を確認してください。」
「寮内のルールも書かれています。如月さんの班の班長は、玖珠さんですか、頑張ってください。」
何を頑張るんだろう?あっ、話しているうちに寮についたみたいだ。
「では、僕はこれで。」
郁さんは、そう言って離れていった。
寮へ、足を踏み入れると、背が高くて大人な感じのする女性が向かってきた。
「君が如月さんか、私がこの班の班長、玖珠流裁だ。」
自己紹介を済ませたあと、ここの寮長さんからの話があった。
「寮内で犯した校則違反は、寮長と、各班の班長が罰を与えることになっている。校則以外にも寮のルールがある。生徒手帳に載っているのでちゃんと読んでおくように。それじゃあ解散。」
「あっ、そうそう如月さんの部屋は、312号室だよ。」
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