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【和弥くん、京に微笑みかけられて何ともない人間はいないよ?許してやって?】
「そうか…慎もそこら辺のと一緒ってことか…ふーん、へー…」
『和弥…お前…クッソ可愛いな』
「騙されない!後で覚悟してろよ!」
慎は逃げるようにトイレへ。
【クスクス…仲良しだなぁ】
「舞人さん…慎は、俺以外の男とキスしたんだ…しかも可愛い男と…無理矢理だったってのもわかってる…けど、俺…見ちゃったから…慎の事は許してるし、相手の事も許してんだけど…どうしてもその光景が忘れられなくて…」
【慎くんはモテるんだね?】
「すごく…」
【そのモテモテの慎くんが好きなのは?】
「俺…?」
【何でクエスチョンなの?彼は和弥くんにメロメロだよ?見ててわかる。好きで好きで堪らないって顔に書いてある。君もそうでしょ?】
「うん…」
【じゃあ、自信持って、ね?見て、あんな風に京と真っ直ぐに向き合って話せるのはそうそう見ないよ?慎くんの気持ちが君にしか向いてない証拠】
そこには、京さんと普通に話してる慎の姿。
「舞人さんもだけど、京さんもモテるでしょう?」
【そうだね、京は根っからのゲイだから女性の心配はないよ。カップルだって隠してもいないしな】
「俺たちは…お互いが男は初めてで…男子校だから、それも普通で感覚がわからないんです」
【そっか…いいんじゃない?外では友人で、ふたりの時はイチャイチャってのも楽しいよ?】
『俺もそう思うよ?』
「慎…そうだな」
『俺さ…両親4人に好きな子が出来たって付き合ってるって言ったよ?男だけどすっごい美人でって…そしたらぜひ会いたいって。そん時はちーちゃんも一緒に、な?』
「うん!俺も会いたい」
【ちょっと、両親4人って?ちーちゃんって?】
『あ、俺の両親はレズカップルとゲイカップルなんです。んで、ちーちゃんは和弥のお母さんでBL作家』
【すごい環境、でも理解があるっていいな。よし、今夜は飯食って行けよ?お兄さんの奢りだ】
「わーい!嬉しい」
『ね、舞人さん…その指輪、京さんも着けてた』
【うん、結婚してるよ?正確にはパートナーシップだけどな】
「いいなぁ」
『うん、和弥…俺ら結婚はまだ出来ないけど指輪…買おうか?』
【指輪だと学校でアウトだろ?腕時計とかどうだ?】
『そっか…そうしよう!』
「うん、嬉しい。お揃いな?」
『もちろん…刻印とかしてもらおう』
【可愛いな、お前ら。舞人、俺も時計欲しい】
「京さん!」
【はいはい、今度買いに行きましょ】
そうやって、外が暗くなって来た頃俺たちは必ずまた来ると約束して店を出た。
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