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やっぱり…この流れは
『良いお母さんだな、和弥っぽくて』
「変な感じでごめん、BL作家なんてイヤじゃないか?」
『全然、理解があるっていい事だろ?普通は反対されるだろうし、このまま結婚も許してもらえるかな…なんて思っちゃったよ』
「けっ!それより慎のとこは?」
『うちは…両親が男同士だ…俺を産んだ人とは離婚して…そもそもその結婚がさ…レズビアンとゲイセクシャルの結婚だったそうだ。ふたりとも自分のマイノリティを隠すために…俺を産んだ。俺は荒れた時期もあったけどみんなが俺を愛してくれてることを知ってたからな。心配しなくても今もみんなと仲良しだぞ?』
「みんなって母親と父親とその相手?」
『それと母親の相手もな。レズビアンだから女性だよ』
「へ…すごいんだな。なんか大家族って感じ」
『うん、みんな仲良しだ。いつか和弥にも紹介したいな』
「俺も会ってみたい…どんな親なら慎みたいなのが生まれるのか気になる」
『はは…俺みたいなってなんだよ』
なんかすごい秘密を聞いたような気がするのに、話してくれた事を嬉しく思う。
そうやって話しながら、慎のマンションに着いた。
「スゲーマンション…」
『そうか?ひとり暮らしだからセキュリティとかはしっかりしてるな。あとは防音も、な?』
慎がニヤリと笑う。
俺は慎が何を言いたいのかわかってるのにわからないふりをする。
「じゃあ、大音量で音楽聴けていいな」
そう、気になってるのは母さんが言った【どっちがどっち?】ってやつ。
俺は母さんのBL小説は大概読んでるから、結構詳しい。
大体この流れで行くと、俺が受けだ。
母さんの小説はめちゃくちゃエロい。ベッドシーンもかなりリアルに描かれてる。
だから怖いんだ…そうなるのが…まだ覚悟が出来ない。
『そんなに緊張しなくても、襲い掛かったりしないよ?俺が和弥を傷つけるわけない』
「うん、わかってる」
『それに、まだ好きだって言って貰ってないしな』
「それは…ごめん…」
『謝らなくてもいいよ?俺も攻略する楽しみがある。普通に友達同士のお泊まり会だよ。ご希望ならするけど?』
「は?するって何を?」
『ぶぶっ、今エロい事考えたろ?友達同士のお泊まり会でやる事と言えば…』
ゴクリ…
『勉強に決まってるだろ?』
「…慎…そんな決まり…ないだろー!俺で遊ぶな!」
『ごめんごめん、和弥が可愛くて仕方ないんだ』
「かっ可愛いって言うなよ!」
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