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やっぱり…だよな
『和弥が落ちないか心配だから、奥な』
「そんなに寝相悪くないと思うけど…」
『まぁ、俺が抱いて寝るから落ちないけどな』
慎はそう言って俺を、胸に抱き込んだ。
「慎…苦しい…少し緩めて?」
『ごめんごめん』
俺は慎の匂いを胸いっぱいに吸い込む。聞くなら今だ。
「なぁ…慎…」
『ん?』
「俺がお前を好きだって言ったら?どうなる?」
『うーん、舞い上がって小踊りする?』
「そうじゃなくてさ…え…と…つまり…」
『和弥…ちーちゃんが言った【どっちがどっち?】を気にしてんだろ?』
「バレてたか…」
『うん…俺も和弥を好きだと気づいた時、男同士について調べた。俺はマンガで読んだ。和弥はちーちゃんがいるから尚更詳しいだろ?だったら嫌がられるかも…とは思った』
「イヤって言うか…」
『和弥がそのせいで好きだって言えないのは切ないな。和弥がイヤならしなくてもいいし、逆でもいい』
「そうじゃなくてさ…母さんの小説とか、マンガでもそうなんだけど…俺たちみたいな流れだと俺が受けって決まってんだよ。抱かれるのがイヤなんじゃなくて…その覚悟が…出来てないって言うか…」
慎は俺のおでこや頬にキスをしながら話を聞いている。
『うん…わかってる。今夜は寝て、明日また話そう。そもそも好きって言われてないからな。おやすみ和弥…好きだよ』
「おやすみ…慎…俺も…」
『うん』
このまま寝るんだ、本当に襲わないんだな。
俺はそっと、慎の頬に触れる。
『ん…和弥?眠れないか?』
「いや…起こしてごめん…おやすみ」
これじゃ俺が襲ってるみたいだ。
慎の柔らかい唇にそっと指を這わせる…
その指にちゅっとキスされた。
『和弥…そのまま襲えよ…』
「起きてたのか?」
『和弥がこんなそばにいるのに寝れるわけないだろ?襲われるの待ってた』
「もう黙って…キスして…」
『いいのか?ここでキスするともう止まらないぞ?』
慎の何かを待ってる顔…何を待ってるのかを知っている俺…黙って見つめ合う。
『言えよ…言わないとキスできない…』
色気を纏った慎の顔…もう自分の気持ちはわかってるんだ。あとは口に出すだけ。
『和弥…言って?』
俺はすうっと大好きな慎の匂いを吸い込む。
それを吐き出すのと同時に慎の耳元で囁いた。
「慎…好きだ、大好きだ」
そう言ったのと同時に俺はベッドに縫い付けられ、激しいキスを仕掛けられた。
「うん…んふっ」
慎の温かい舌が俺の口内へ滑り込む。
『はぁはぁ…和弥…悪い…止められない…』
息ができないほど、慎のキスに犯される。
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