1人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
私たちは自分の自虐心を満たしてくれる相手を求めてた。
誰かに責められたかった、詰られたかった、蔑まれて嘲笑されたかった。
でもそばに誰もいないのは寂しいから、離れることも出来なくて。
人肌の恋しさに突き動かされるように肌を重ねた。
爛れていたのかと言われると首を傾げる。
お互いにそこまで熱を上げてはいなかったはずだ。
けれど身体だけの関係と言うには、同族意識が強すぎた。
あの人のどこを好きなのかと、顔も知らない友達に訊かれたことがある。
私はその問いに散々頭を悩ませて、首が180度回ってしまうのではと思うほどに首を傾げ。
結局答えを出せなかった。
顔も知らない友達はそれを不潔だと言い切って、顔も知らない誰かになった。
最初のコメントを投稿しよう!