僕の恋物

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僕には恋人がいる。 だけど、このことは誰にも言えない。 ゾッとされてしまうだろうから。 恋人とは小声で話す。 周りに聞こえないようにしないといけない。 返事は返ってこないのだけれど、しあわせ。 キスはできるけど、味はわからない。 君からしてくれることはない。 君の口は開かない。だけどしあわせ。 君の体は動かない。 だけど、抱きしめるとあったかい気がする。 ふわふわしていて可愛いし、きらきらな目も大好き。 でも、一緒にお出かけができない。 君を連れ出して許されるのは、せいぜい小さな子供ぐらいまでだろう。 それ以前に、君を外の世界にさらしたくない。すぐに汚れてしまうだろうから。 だから僕のそばに居てくれるだけでしあわせだけど、時々つらくなってしまう。
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