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「ご、ごめんねー、お兄さん。
こういうの、まだ慣れてなくてさー。
取り敢えず、名前教えてくれるかな??」
慶二は口角をひきつりながら、伝えた。
が、
少女は、じっと、慶二に視線を合わせ、答えた。
「そういう言葉並べたら、何でも解決できる訳。
あなた、あのお姉さんにエースって呼ばれてたから、もっと質のある?、聴取を期待してたけど。
ま、こんな女の子じゃ、慣れてないか。
見た目、独身みたいだし。
あと、その作り笑顔やめたら?
笑えてないし。」
(…っっ!!)
慶二は唖然とするしかなかった。
少女の頬には、もう涙も涙の跡も何もなかったからだ。
「こほんっ」
慶二は、一つ咳払いをし、気を取り直して、聴取を行う。
「では、あなたの名前、年齢、国あるいは出身地、連絡先を教えて頂けますか?」
「…。」
「何?答えられない?まさか、家出?
見たところ、容姿から、日本人…かな。」
少女はうつ向きながら、答えた。
「…、つっ、
分からない。分からないの。
私が誰で、どこから来たのか。」
(はぁっ…!?)
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