2.少女の名は?

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「ご、ごめんねー、お兄さん。 こういうの、まだ慣れてなくてさー。 取り敢えず、名前教えてくれるかな??」 慶二は口角をひきつりながら、伝えた。 が、 少女は、じっと、慶二に視線を合わせ、答えた。 「そういう言葉並べたら、何でも解決できる訳。 あなた、あのお姉さんにエースって呼ばれてたから、もっと質のある?、聴取を期待してたけど。 ま、こんな女の子じゃ、慣れてないか。 見た目、独身みたいだし。 あと、その作り笑顔やめたら? 笑えてないし。」 (…っっ!!) 慶二は唖然とするしかなかった。 少女の頬には、もう涙も涙の跡も何もなかったからだ。 「こほんっ」 慶二は、一つ咳払いをし、気を取り直して、聴取を行う。 「では、あなたの名前、年齢、国あるいは出身地、連絡先を教えて頂けますか?」 「…。」 「何?答えられない?まさか、家出? 見たところ、容姿から、日本人…かな。」 少女はうつ向きながら、答えた。 「…、つっ、 分からない。分からないの。 私が誰で、どこから来たのか。」 (はぁっ…!?)
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