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ドキドキと手をかざす。
ギフト。ギフトってなんだろう。
魔法なんて使えたりして……。
胸をわくわくさせながら、手を伸ばす。
俺はなにを持っているんだろうと、震える手をかざした。
だが、水晶はぴくりとも反応せずに光らなかった。ふつうなら、文字が浮き出るか、身体能力的なものならその部位が光るらしい。
一旦は病気かとおもい、治療院へ連れていかれるがそうでもない。なんども通って水晶に手をかざすがうんともすんともいわない。
異世界からきたからか。
ギフトすらないのか。
なんにもないのか。
もう一度、水晶に手をかざしたがうんともすんともしない。
沈黙が部屋を支配する。
…………。
『おめぇ、ケツにでも才能でもあるんじゃねぇ?』
酔っ払ったギルドのおっさんの一言で、尻に水晶を向けてみるとほわんと淡い光が放たれ『尻、チート能力アリ』と浮き出たわけである。
まったくうれしくない。
剣の才能とか。
魔物を操れる魔法とか。
怪我を治せる治癒能力とか。
そういうチートが欲しかった。
つうかまだチートにもなっていないのだ。素質があるってなんだ。ラノベばかり読んでいたので、異世界といえば憧れしかなかったのに。それなのに括約筋を活躍させるチートなんてお断りしたい。
……俺、男なのにどうなっちゃうんだ。
ぽつんと寝台に正座したまま、俺は視線を落とす。
はあ……、と大きなため息をこぼすと黒騎士がそっと横に腰かけて、腕を肩に回して抱きよせた。
「……気を落とすな」
ちゃっかり横に座っている白魔道士が腰に手を回す。
「そうだよ。お尻に才能があるだけでいいじゃない~」
「…………」
さわさわと二人のごつい手がシャツの中をうごめく。尖ったところをこりこりと掻いている指もある。
「しかもチートってすごいことだよ。ふつうなら能力があるだけいいのに~」
「そうだ。能力があってよかったじゃないか」
まえからもうしろからも、ごつごつとした指が太ももや体の中をうごめく。
「……ぁ」
へんな声がかすれてでてしまう。
「こえ、でたね。素質あるかもしんないじゃん~」
「……し、しりに素質なんてない」
「鍛えればチートだよ~」
「ああ、最強だ。よろこべ」
「う、うれしくねぇし」
いや、無理だし。
よろこべないし。
なにちゃっかり横に座っちゃってんの。
な、なに乳首を転がしてんの。
ふたりはぐりぐりと俺の乳首をこする。
目の前では、どぎついピンクのカーテンが冷えた夜気にはためいた。
不意にランスがなにかを思いついたように、頭を上げた。
「あ、そうだ。セッしないと出れないように魔術をかけようか?」
「いや、そうなると俺たちが童貞じゃなくなる」
「僕はいいよ~」
「だめだ。まずは指で開発させる」
「指か。張子もあるからそれも使おうよ」
ふたりの手が俺の衣服を剥ぎ取る。あれよこれとよ裸体がさらけ出される。内股を割るようにランスがすっぽりとはいった。
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