その2

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 ドキドキと手をかざす。  ギフト。ギフトってなんだろう。  魔法なんて使えたりして……。  胸をわくわくさせながら、手を伸ばす。  俺はなにを持っているんだろうと、震える手をかざした。  だが、水晶はぴくりとも反応せずに光らなかった。ふつうなら、文字が浮き出るか、身体能力的なものならその部位が光るらしい。  一旦は病気かとおもい、治療院へ連れていかれるがそうでもない。なんども通って水晶に手をかざすがうんともすんともいわない。  異世界からきたからか。  ギフトすらないのか。  なんにもないのか。  もう一度、水晶に手をかざしたがうんともすんともしない。  沈黙が部屋を支配する。  …………。 『おめぇ、ケツにでも才能でもあるんじゃねぇ?』  酔っ払ったギルドのおっさんの一言で、尻に水晶を向けてみるとほわんと淡い光が放たれ『尻、チート能力アリ』と浮き出たわけである。  まったくうれしくない。  剣の才能とか。  魔物を操れる魔法とか。  怪我を治せる治癒能力とか。  そういうチートが欲しかった。  つうかまだチートにもなっていないのだ。素質があるってなんだ。ラノベばかり読んでいたので、異世界といえば憧れしかなかったのに。それなのに括約筋を活躍させるチートなんてお断りしたい。  ……俺、男なのにどうなっちゃうんだ。  ぽつんと寝台に正座したまま、俺は視線を落とす。  はあ……、と大きなため息をこぼすと黒騎士がそっと横に腰かけて、腕を肩に回して抱きよせた。 「……気を落とすな」  ちゃっかり横に座っている白魔道士が腰に手を回す。 「そうだよ。お尻に才能があるだけでいいじゃない~」 「…………」  さわさわと二人のごつい手がシャツの中をうごめく。尖ったところをこりこりと掻いている指もある。 「しかもチートってすごいことだよ。ふつうなら能力があるだけいいのに~」 「そうだ。能力があってよかったじゃないか」  まえからもうしろからも、ごつごつとした指が太ももや体の中をうごめく。 「……ぁ」  へんな声がかすれてでてしまう。 「こえ、でたね。素質あるかもしんないじゃん~」 「……し、しりに素質なんてない」 「鍛えればチートだよ~」 「ああ、最強だ。よろこべ」 「う、うれしくねぇし」  いや、無理だし。  よろこべないし。  なにちゃっかり横に座っちゃってんの。  な、なに乳首を転がしてんの。  ふたりはぐりぐりと俺の乳首をこする。  目の前では、どぎついピンクのカーテンが冷えた夜気にはためいた。  不意にランスがなにかを思いついたように、頭を上げた。 「あ、そうだ。セッしないと出れないように魔術をかけようか?」 「いや、そうなると俺たちが童貞じゃなくなる」 「僕はいいよ~」 「だめだ。まずは指で開発させる」 「指か。張子もあるからそれも使おうよ」  ふたりの手が俺の衣服を剥ぎ取る。あれよこれとよ裸体がさらけ出される。内股を割るようにランスがすっぽりとはいった。
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