君と大人になる僕を

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俺は結構友達作りがうまいほうだから、クラスにもしっかりなじんだ。 運のいいことに、このクラスはのりの合うやつも多くて、夏休み前には団結力最強になってた。(笑) もちろん、みいちゃんとも積極的に話して、どんどん仲良くなった。 みいちゃんはオタクではないけど、割と本が好きだということも分かった。この高校の図書室には、面白い本がいっぱいあるみたいで、読書部というただただ本を読んで、たまに感想を言ったり、お勧めの本を紹介しあう、図書委員みたいな、部活に入った。話しているうちにみいちゃんのことがどんどん好きになっていった俺は、迷うことなく読書部に入った。 「翔君読書好きだった?」といたずらっぽく聞いてくるみいちゃんに、 「高校入ったらやっぱちょっとは学力も付けたいじゃん」とか言ってみたりした。 「翔君いろいろ運動できそうなのにもったいない」 確かに運動好きだけど、助っ人としていろんな部活に参加できるのも楽しかった。 「引く手あまたで選べないんだよねぇ」とか茶化していた。 中学から一緒のかいは、ダンス部に入っていた。サッカーかダンスかで迷っていたけど、結局ダンスを選んだようだ。彼はセンスがいいから、ダンス部は最高の居場所だったようだ。 人懐っこくて誰にでもかわいがられるタイプのかいは、当然のようにみいちゃんともすぐ仲良くなった。俺より先に「みいちゃん」と呼びだしたときはちょっと…いやかなりイラっとした。 それをみいちゃんもすんなり受け入れた。 かいはとってももてる。入学して1か月で、もう彼女ができていた。 「かわいい男子ってもてるんだね」 俺が何気なく言った一言に、女子たちは 「あんなにかわいいのにダンスしてるときはむっちゃかっこいい」 「あのギャップがたまらん!」 と鼻息荒く答えていた。 「確かに母性本能くすぐるってああいうタイプなのかもね」 みいちゃんがそういった時は。 『俺も運動部はいればよかった』とちょっと後悔した。
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