君と大人になる僕を

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みいちゃんはよく言う。 「また友達に言われちゃったよ、『翔君もてるんだから独り占めしてるとだめだよ』って」 同じ部活だし、係とかグループ分けとかかぶってること多いから、 一緒にいることは多い。 みいちゃん的には、『気兼ねなく話せる女友達と同じ』というスタンスで、いるみたいだ。 俺も怖くて言及できないから何となく濁している。でも1年もたつ頃には、俺たちはセットで考えられるくらいまで、認知されていた。 でも、俺にはどうしてもかなわないライバルがいる。 —かい— みいちゃんは悪いけどそんなにもてるほうではない。 だから、みいちゃんと距離の近い男子はそれほどいない。 俺はちょっと特別…そう思っていたかったから、俺は意識的にかいをみいちゃんに合わせないようにしていた。 だってかいはもてる。それにみいちゃんのタイプがかいみたいな男だったら… そう思うと怖かった。 案の定、二人はすぐに打ち解けた。 人懐っこいかいと、面倒見の良いみいちゃんは、相性が良かったのかもしれない。 でも二人はお互いに俺を間に挟んだ関係で、の関係ではなかった。 「ねぇみいちゃん先輩の告白断ったんだってぇ」 俺が聞けないことをかいは遠慮なく聞く。 せっかくみいちゃんと図書室の整理をしてたのに、部活が休みになったかいに邪魔される。ただでさえ機嫌悪い俺の気分をさらに貶めてくるかいを軽くにらむ。 「え?もうかい君しってるの?」 ちょっと動揺しているみいちゃん。 かいの無神経さには腹立つけど、俺も何気に気になってる。 「うん、ダンスのつながり?」というかい。 「なんでダメなの??先輩むちゃくちゃいい人じゃない?」さらにかいは詰め寄る。 「もうかい君 図書室では静かに!」と話をそらして、かいをいなめる。 「あぁっ!もしかしてみいちゃん好きな人いるとかぁ?」 それでもかまわず、ツッコんでいくかい。 でもその質問、俺も気になる…でも聞くの怖い…。 「そうじゃないけど…」意外にも即答して、ちょっとうつむくみいちゃん。 「かい、一応俺ら部活中だから」何となくみいちゃんが困ってる気がして、 俺は助け舟を出す。それにみいちゃんの答えをそれ以上聞くのも怖い。 「…えぇ、じゃ早く終わらせてよぉ」 今日は、部活の後飯食いに行く約束をしている。 「そう思うならお前も手伝えよ」 「だって、どこにどの本しまうかわかんないしィ」 そんなやり取りをしていると、みいちゃんはいつもの感じを取り戻して、 俺たちを見てにっこり微笑んでいた。
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