地獄の致命傷

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地獄の致命傷

 獅郎(しろう)は今日、公開処刑によってこの世を去った。  そして、地獄と言う場所に来た。 「お前には針床地獄だ!お前ら!連れて行け!」 「ははっ!メンマ大王様!」  エンマは人々の空想にしか過ぎなかったらしい。  獅郎は針がびっしり床に埋め尽くされている、通称『針床地獄』に連れてこられた。  「ほれ、お前にはここで一生過ごしてもらう!」  下には誰もいない。どうして誰もいないかメンマ大王様の子分に訊いた。 「ここは最大犯罪を犯した者が来るところだ!そしてここは最近出来たとっておきの地獄(アトラクション)さ!だからお前が初めてさ!」  地獄には日々新しい地獄が出来ているようだ。 「ほら!そろそろ行け!」  獅郎の背中を子分が押し、獅郎は針の床に足を踏み入れた。 「いやあぁぁぁ!」 「せいぜい地獄を楽しみやがれ!ヒッヒッヒ!」  そう言って子分たちは去っていった。
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