ちょっと俺の野望聞いてくれない?

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次の日、俺は軽い足取りで学園に向かっていた。 転入生は下の学年だし、生徒会の奴らはSクラスだから会う事も無い。 学力順に決まるクラスではSが最も学力が高い。 次にA。B〜Eまでは均等に学力が分けられている。 本来ならば俺もSクラスだが、2年に上がると同時にAクラスにしてもらった。 何分Sクラスは勉強への意識が高すぎる。 進学に力を入れている事もありクラスの人数も少なく構成されている。 俺、たくさん遊ぶ予定だったからさ。 Sクラスだと気遅れしちゃいそうだったんだよな。 当時は風紀委員とも仲が良くなかったし生徒会のメンバーとも溝があったから、結果Aクラスに入って良かったと思う。 寮を出た時から突き刺さる視線を潜り抜け下駄箱まで来る事が出来た。 昨日の今日だから注目されるのは当たり前。 でもそんなあからさまに見られると少し恥ずかしい。 「七瀬様」 靴を履き替えた所で話しかけて来たのは会長の親衛隊の人。 名前は知らん。まじで知らん。 前生徒会長に着いていた親衛隊が俺に流れてきたらしいけど、親衛隊の仕組みとか正直よく分かって居ない。 「お身体の具合は大丈夫でしょうか?」 ああそうだ。確かこの人隊長だった筈。 やり取りはメールや電話が多かったから顔まで覚えていなかった。 それよりも何だこの子。良い子か。 「大丈夫。騒がせてしまって申し訳ない」 「いえ。生徒会は構成し直すとのこと。七瀬様はそのまま会長を続けられると聞きましたがお間違えはございませんか?」 「続けるみたい。新しい人が入るまでの間は休暇期間になったから」 「そうですか、それは良かったですね。 あのクソ共が消え去って新たに七瀬様を支えて下さる方が入れば我々も安心出来ます」 「クソ共…」 この隊長、少しばかりお口が悪いようだ。 俺と仲良くなれそうな気がする。 「休暇中はやりたい事やりまくるって決めてるから。 風紀にも目を瞑って貰うよう許可貰ったし」 「七瀬様が楽しく過ごされるのであれば、我々親衛隊もそれに合わせてサポートいたします」 「そ。じゃあさ、あのまりも…転入生と“クソ共”の動き見といてくれない?俺と鉢合わせしそうになったら教えてほしい」 「承知いたしました」 よっしゃ。これで俺の日常の安全は確保されたも同然だ。 物分かりの良い隊長。 隊長自身も凄く容姿に恵まれて居て親衛隊がいそうなのに俺の親衛隊に入っているなんて。 そもそもこの学園の生徒の顔面偏差値は全国の平均よりも高いと思う。 俺の顔面も中々上だと学園に入るまでは思っていたが、この学園の偏差値が高すぎて自分なんてあっという間に霞んでしまった程だ。
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