ちょっと俺の野望聞いてくれない?

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ところで自己紹介がまだだったかもしれない。 俺の名前は七瀬伊織(ナナセ イオリ)。 画数が多くて大変そうな名前でしょ。語呂が良い気がして気に入っているけどさ。 親は何かでっかい会社やってるけど、至極普通に育てて貰ったと思う。基本放任主義で、でも俺が興味を持ったことには全力でサポートしてくれていた。 ちなみに一貫校である学園には中等部から通っている。 本当はさ、中学の時も運動部に入りたかったんだ。 でも中学の時までピアノを少しばかり極めていたから運動を控えていて。目標だったコンクールで賞も取れたしもういいかなって。 高等部に上がって色んな部活を見て回った。 今まで我慢していた分やりたい事が多すぎて決められなかった俺は、大会には出ないけど練習には参加するというやり方で色んな部活に顔を出していた。 そのおかげで人脈が広まったし、毎日楽しかったな。 この学園には人気ランキングというものがある。 高等部に上がって1ヶ月ほどしたら1年も含めたランキングが発表される。 俺は顔が広いこともあって割と上の方にランクインしていた。 そこで親衛隊の存在も知ったし、そういや知り合いが王道がなんとかって言っていたのを思い出した。 生徒会の人から生徒会に入らないかと打診されたが、今は沢山体を動かしたい気分だったから丁重にお断りした。 2年になってから考えると添えて。 そうしたらだ。 そうしたらよ? まさか次期生徒会長に推薦されるとは思わなんだ。 ランキング上位で前生徒会長からの推薦ともなれば会長に就任するのは必然だった。 最終的には全校生徒の投票で決まったが。 1年の頃に部活を通して人脈を広げすぎたこともあって大半の人たちが俺の会長就任を肯定した。 さらに前生徒会長から脅しにも近いゴリ押しをされて。 こうして俺は生徒会長になった。 --「…………だる…」 目に入る眩しい光に片目しか開かず、そして鈍い頭の痛さに気持ちがそのまま言葉になって出た。 ここどこだ…?と記憶喪失設定にならずに瞬時にここが自分の部屋だと自覚する。 ベッドの上で律儀に布団まで被って寝ていた。 だけど俺の最後の記憶は、講堂で会長離職の挨拶が終わって壇上から降りようとしたところだ。 …………え? まさかぶっ倒れた?俺?? そこで記憶が途切れているし、部屋に戻った記憶も無い。 誰かが運んでくれたのは明白だ。 一体誰が…。 というより今何時だ。 随分と寝てしまっていたような気がする。 だって頭が痛いから。 枕元に置いてあった携帯を開くともうすぐ日付を越えようとしていた。 えぇ…12時間近く寝てたのかよ。 連絡も大量に入っているし。 主に部活仲間の人たちから。内容は大体同じ。 心配する声ばかりだった。 うん、やはり俺は倒れたんだな。全校生徒の前で。 あとはショートメールの方に風紀委員長から連絡が入っていた。 [起きたら連絡しろ]と。 これって今送っていいもん? まあいいか。電話じゃないし迷惑かけないだろう。 [起きた]と一言送るとすぐに[今行く]と返って来た。 今…今!?今から来んのか!? まあ役付は1人部屋だし、生徒会と風紀の部屋は近いけども。 あ!俺もう生徒会じゃなかったんだった! てことはすぐに部屋移動しなきゃいけないなあ。
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