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「あぁっ! ちょっと、アラン殿!」
後ろから追いかけてきた戦士風の男に軽く肩を掴まれる。さすがに勇者の仲間になりたいというだけあって、体さばきは見事なものだ。実力もかなりのものだろう。
「……はぁ。お引き取りください。僕はそういったことには興味がないので」
「きょ、興味がない? えっ、私は人違いをしているんじゃないですよね? とにかく、少しお話ししましょう! 貴方のことも知りたいので!」
澄んだ目で一心にアランを見つめてくる。さすがに遠路はるばるやって来たであろう彼を、ここで追い返すのも可哀想かとアランは肩を落とした。
「分かりました。話は聞きます。でも聞くだけですよ」
「おぉ。よかった! ささ、こちらへ! アラン殿、お座りくださいな!」
「はぁ」
なぜかぺこぺことゴマすりされながら席を勧められているが、ここはアランの屋敷である。
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