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どうせ18歳になっても何も変わらないって思ってたけど、そうじゃないって知った。
「有理沙、そのバッグどしたん?」
土曜日。
私より一足早く誕生日を迎えて、成人の仲間入りを果たした有理沙とカフェに行った。そしたら、有理沙がめちゃくちゃ可愛いCOACHのショルダーバッグを持っていた。
有理沙は嬉しそうにバッグを指先で撫でる。
「これ〜?自分で買ったの。」
「え!プレゼントじゃないの??」
「親が買ってくれるわけないじゃん!彼氏も流石にこれは無理かな〜、」
「じゃあバイト代貯めて?」
「ううん、クレカでサクッと買ったの!」
カード?
私は思わず前のめりになった。
「有理沙、クレジットカード持ってんの!?」
「持ってる持ってる!18歳でも作れるようになったじゃん??だから即作った!カードってめっちゃ良いよ〜?手持ち無くても買えるし、ネットショッピングも楽だし!」
まじか!
私は目をまん丸くした。カードがあれば一目惚れした服とかバッグとかそのまま買えるってこと?ネットショッピングもやり放題??やば!
成人年齢が18歳に引き下げられて、私達はクレジットカードを作れるようになった。そっか、有理沙はカード作ったんだ、すごっ。全然カード作るとか考えてなかった!でもな〜、なんかな〜。
「でもなんか怖くない??カードの悪用とさかぁ…」
「クレカ使ったらちゃんとメールでお知らせくるから、変なことになってたらすぐわかるよ!まじオススメ!美嘉もクレカ作った方がいいって!ネット申し込みで出来るから手続きも簡単だし!」
へ〜〜…いいなぁ、私もバイトの口座で作ってみようかなぁ?
なんか、有理沙を見てるといてもたってもいられなくなって、家に帰ってからバイト代の通帳を片手に、自分の部屋で早速申し込みをしてみた。
数日後。
「カード、作っちゃった…!」
家にクレジットカードが届いた。
ママとパパがそれを見て仰天する。
「美嘉!何勝手にカードなんか作ってんの!」
「えー??でも友達みんな作ってるよ〜?」
「みんなって誰だ、言ってみなさい。」
パパが鋭い声で私に尋ねる。反抗期真っ只中の私はギロッとパパの方を見た。
「いーじゃん、自分のバイト代の口座で作ったんだから。」
「カードなんて子どもが持たなくていいだろうが。いいか、カードは無限にお金が使えるようになるものじゃないんだぞ!それに悪質なサイトに登録したら、お金を抜き取られたりするしっ、」
「知ってるってば!てかもう子どもじゃないし!」
私は声を張り上げて部屋に戻った。心配されなくても、クレカの仕組みくらい知ってるってば!ちゃんと私だって自分の貯金額とバイト代がどれくらい入るか考えた上で使うし!!
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